石屋製菓が本社をリニューアル、テストキッチンや品質管理部門をオープン化した創造空間に

経済総合

 石屋製菓(本社・札幌市西区)は、本社1階をリニューアル、テストキッチンや品質管理部門などをオープン化、社内外を問わずさまざまな立場の人たちが、垣根を超えて交流できる空間にした。石水創社長は、「当社が考えるお菓子屋さんの本社を体現した」と話す。(写真は、2026年9月4日に行われたリニューアル記念イベント)

 イギリス・コッツウォルズ地方の石造りを模した2階建て本社屋が竣工したのは、2010年。1階は製造工場、2階がオフィスという役割で始まったが、今回、別の場所に新しい製造工場「グルマンイシヤ」を建設、1階の製造部門を移転させることになり、2年前から本社リニューアルのプロジェクトをスタートさせていた。

 社内各部門の代表メンバーが集まって始まったプロジェクトチームの中心的役割を担ったのは、同社品質管理部ゼネラルマネージャーの近藤洋史氏。近藤氏は工場勤務の経験があり、本社1階の工場でも働いたことがあった。製造部門での経験から、開発部門や品質管理部門は、工場の見えないところで仕事をするよりも、部門間の垣根を超えた、開かれた場で刺激を受けることによって、創造性が高まることを実感していた。

 こうした問題意識をプロジェクトメンバーで共有、石水社長もテストキッチンを導入したリニューアルを想定していたことから、「北海道のおいしいをつくる。つどう。つながる。~ISHIYA CREATIVE KITCHEN~」がコンセプトになった。コンペで選ばれた設計・施工のフロンティアコンサルティング(本社。東京都千代田)とプロジェクトのメンバーたちがワークショップを重ね、お菓子を中心に据えた空間でありながら、従業員が部門の垣根を越えて交わり、創造力をかき立てられる空間に仕上げた。

 フロアには壁がなく、中央にテストキッチンと長さ10mを超える人工大理石のカウンターを配置、周りには会議室や商談室、品質管理部門、ライブラリーコーナー、社内でのプレゼンやパブリックビューイングにも使えるライブエリアも設けた。道産木材や札幌軟石を多用し、椅子やテーブルは、旭川家具のカンディハウス社製を導入した。フロアは、段差や緩やかな傾斜によって、奥行きと広がりを感じられるようにした。

(写真は、フロア中央にあるテストキッチンと長さ10mを超えるロングカウンター)

 テストキッチンは、製造、飲食、パーク事業の3部門に分かれていた開発部門を一体化、顔の見える距離で話し合いながら試作できるようにした。試作品を品質管理部門で即座に検査をしたり、カウンターで作りたての試食も行ったりできるようにした。石水社長は、「ここから生まれる新商品が待ち遠しい。近隣の住民にも開放して一緒にお菓子を開発していくことも考えている」と話す。石狩の倉庫に眠っている故石水勲名誉会長のアンティークコレクションのうち、シャンデリアとタイルが再利用されるなど、伝統の継承もリニューアルに盛り込まれた。

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