雪印メグミルク(本社・東京都港区)の札幌工場(札幌市東区)で生産した生クリームを直送してその場でバターを作り、それに合う料理を提供する専門カフェ「THE BUTTER」が、2026年7月25日(土)にオープンする。同社の未来づくり部のプロジェクトから生まれた「THE BUTTER」は、乳業メーカーが消費者を対象に、バターの新たな価値を提案するチャレンジングなカフェになる。
(写真は、「THE BUTTER」の店内工房の前に立つ雪印パーラー・森隆志社長=右、佐藤慎吾店長=中央、石川和男工房長=左)
「THE BUTTER」は、雪印メグミルクが2025年に創業100周年を迎え、バターについてあらためて発信するために開設したカフェ。バター作りの現場を見てもらおうと、小型のバター製造機「バターチャーン」をグループのニチラク機械(本社・さいたま市浦和区)に特注して製作してもらい、店内に設置した。バッチ式の小型バターチャーンの製作は、ニチラク機械にとっても数十年ぶりで、当時の図面を探し出して完成に漕ぎつけたという。
出店場所は、「赤れんがテラス」(札幌市中央区北2条西4丁目1)の道庁前庭側1階。以前は、パンケーキ店や「札幌珈琲館」「ブーランジェリー ラフィ」などが入っていたスペース。「THE BUTTER」を運営する雪印メグミルクと雪印パーラー(本社・札幌市中央区)は、最適な出店場所を探すため、JR札幌駅南口からススキノ交差点までの間をくまなく歩いたが、バター製造を行う工房を設置するのに適した場所がなかなか見つからなかった。そんな時、「赤れんがテラス」を運営する三井不動産グループから声を掛けられ、工房設置の設備など条件にも合うとして、テナント入居を決めた。
店内造作の柱や壁は、以前の仕様のままとしながらも、床やソファーは赤れんがをモチーフにした設えとし、北欧モダンの雰囲気にした。雪印メグミルクの「酪農と乳の歴史館」(札幌東区)からヒントを得たライティングを導入、電球を見上げると雪の結晶が浮かぶように工夫した。また、ボックス席側の天井にはステンレス板をはめ込んだ。ステンレス板には、1950年代の連続式バターチャーンに多用されていたうろこ模様がデザインされている。また、実際に使っていた手回し式のバターチャーンも設置した。
カフェでは、工場で生乳から作った生クリームを直送し、工場生産を経験した職員が、生クリームの状態や室温などに合わせてバターを作る。塩は道産の塩を使用する。バグフィルターなどを備えたHACCP対応の乳製品製造許可を取得した工房となっている。ガラス張りの工房で、生クリームがバターに変わっていく瞬間を見ることができる。
(写真は、作りたてバターを使った提供メニュー例)
提供するメニューは、温かいパンに作りたてバターをのせたバタートーストやフレンチトースト、せたな町の「なな実」で生産した馬鈴しょ「きたかむい」のフライドポテトなど。雪印メグミルク未来づくり部の「THE BUTTER」プロジェクトオーナーだった森隆志氏は、2026年4月に雪印パーラー社長に就任、この事業の陣頭指揮を執ることになった。森氏は、「作りたてのバターならではの風味となめらかな口溶けを楽しんでもらい、バターが主役になる新しい魅力を感じていただける店にしたい」と話した。
「THE BUTTER」は社員とパート・アルバイトを含め約30人で運営、年商は非公表。パフェメニューが中心の「雪印パーラー」から踏み込んだカフェ展開のため、当面は新店舗に注力、軌道に乗った段階で多店舗化も検討する。


































