札証プロ投資家向け市場「Sapporo PRO Frontier Market」にアットマークテクノが第1号上場

経済総合

 札幌証券取引所は、機関投資家などプロ投資家を売買の対象にした国内3番目のプロマーケット「Sapporo PRO Frontier Market」を2026年6月30日に開設した。同日、札幌市のIoT(モノのインターネット)機器開発企業、アットマークテクノ(本社・札幌市北区)が、新市場に第1号として上場した。(写真は、「Sapporo PRO Frontier Market」の上場通知書交付式。左から札証・長野実理事長、アットマークテクノ・實吉智裕社長)

「Sapporo PRO Frontier Market」は、札証が新興企業向け市場として開設している、アンビシャス市場の上場基準に届いていないスタートアップなどが対象。売買できる投資家も、企業評価やリスク認識でハイレベルな知見があるプロ投資家に限定しており、プロ向け市場としては、東京証券取引所や福岡証券取引所に続く3番目の開設。

 この市場に上場する企業の指導、アドバイス、審査を行うのが「S-Adviser」で、札証は、フィリップ証券など7社を登録した。この市場からアンビシャス市場、本則市場、東京証券取引所などにステップアップを促すのが狙いで、「北海道から地域課題や社会課題を解決するローカル・ゼブラ企業を輩出していくようなスタートアップ・エコシステム形成の一端を担う市場にしたい」(札証・長野実理事長)。

 この日、新市場の第1号として上場したのはアットマークテクノ。同社は、實吉智裕社長(52)が1997年に札幌で創業したIoT企業。實吉氏は、旭川生まれ、札幌育ちで、旭川高専を経て北見工大に編入学し、卒業後にビー・ユー・ジー(本社・札幌市厚別区)に入社。その後独立したが、当初は、父親が手掛けたコメ販売業とIoT事業という異色の展開をしていたが、1999年にIoT専業になった。だが以降は、順風満帆ではなく、事業再編や資本提携、業務提携などを経て、一時は、取引先の子会社にもなったこともあった。業績を回復させて株式を買い戻すMBO(経営陣による買収)を経て、2020年から現在の体制になった。

 IoTの技術を生かして、コインパーキング精算機や駅などに設置されているコインロッカー機器、河川の氾濫状況を知らせる機器、太陽光発電や蓄電池の内臓機器、ビルの電力モニタリング機器など、いわゆる組み込み型コンピューターを製造、販売している。2025年7月期の売上高は18億6200万円、営業利益は6500万円。

 上場通知書交付式で、長野理事長は「新市場での第1号上場を契機に、社会や投資家に対する情報発信に積極的に取り組んでもらい、信用度、知名度向上によって次の成長に向けて歩まれることを祈念したい」と挨拶。實吉社長は、「27年間の経過があるので、スタートアップとは言いがたいが、技術の会社として常に挑戦して実績を積んできた。ここから先も挑戦、進化を続けて豊かな社会をつくっていきたい」と話した。続けて、「IoTは、旬の技術なので世の中に広めていくためにも、なるべく早くステップアップしたい」と早期のアンビシャス上場を目指すことを強調していた。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER