フードロス削減コンソーシアム、第6回「フォーラム」&第5回「チャレンジ!フードロス削減アイデアコンテスト」表彰式

経済総合

 フードロス削減コンソーシアム(会長・丸谷智保セコマ会長)は、札幌市北区の北海道大学FMI国際拠点1階多目的ホールで第6回「フォーラム」と第5回「チャレンジ!フードロス削減アイデアコンテスト」表彰式を開催した。開催日は2026年3月23日。(写真は、第5回「チャレンジ!フードロス削減アイデアコンテスト」表彰式)

 フードロス削減コンソーシアムは、北大触媒化学研究所の福岡淳教授が、2013年に開発した鮮度保持技術のプラチナ触媒を活用、食品サプライチェーン全体のフードロス削減を推進する目的で、北大や北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)、北海道立総合研究機構、セコマグループによって2020年9月に設立された。野菜や果物、花から放出されるエチレンガスは、追熟を促して腐っていくため、エチレンガスを断ち切れば長期保存が可能となる。活性炭は、そのエチレンガスを吸着するために利用されているが、吸着量が決まっており、一定量を超えるとそれ以上吸着しなくなるため、取り替えが必要になる。

 一方、プラチナ触媒は、長期にわたって少しずつエチレンガスを分解する効果が確認されており、取り替えの必要がない。2015年から日立の家庭用冷蔵庫に採用され、出荷台数は200万台を超えている。そのプラチナ触媒を、サプライチェーン全体で利用して、野菜類の鮮度保持期間を長期化、それによってフードロス削減に繋げるのがこのコンソーシアムの目的で、現在は、法人会員19社・団体、賛助会員2自治体(岩見沢市、苫小牧市)が加入、毎年フォーラムを開催している。

 第6回フォーラムでは、最初にノーステック財団地域クラスター創造支援部チーフコーディネーターの菊地達生氏が、『道産さつまいもの普及拡大に向けて~さつまいも北海道プロジェクトの活動~』と題して講演。道内では、2020年からさつまいも生産量が急速に増加しており、2023年は1870t、2025年は2500t(主産地の九州では年間約70万t)の生産量になっている。

 菊地氏は、「さつまいもを加工できる業者が少ないため、もっと道内に加工場が増えてくれば、スーパーの店頭でも北海道産を目にする機会が多くなるだろう」と述べ、「貯蔵などの課題解決を図ろうと活動しているのが、『さつまいも北海道プロジェクト』で240人が登録している。道内で苗の生産から設備、加工技術の開発など通年供給の課題を克服して、さつまいも生産が伸びていくことを目指している」と話した。

 続いて千曲運輸(本社・長野県小諸市)代表取締役の中嶋剛登氏(青果物物流DX推進協議会会長)が、『フードロス削減は、物流から始まるー高鮮度冷蔵×プラチナ触媒による青果物鮮度保持の実証と未来ー』をテーマに講演。中嶋氏は、「鮮度保持の必要性から、60年以上同じ方法でレタス輸送が続いており、無理を承知で生産農家や物流業者が対応してきた。しかし、働き方改革などで対応できなくなっており、当日発送から翌日発送にするために高鮮度冷蔵や新しい冷蔵車の開発を手掛けてきた」と語った。

 その上で、「2024年8月には、長野県でレタス20万ケースを畑で廃棄している。大量のフードロスを削減するには、鮮度保持の技術を物流の仕組みにうまく兼ね合わせることが必要。それが可能になれば、廃棄せずに全量出荷で海外に売ることもできるようになるのではないか」と述べ、さらに取り組みを進めていくことを示した。

 その後、全国の高校生や高等専門学校生を対象に、フードロス削減のアイデアを募る「チャレンジ!フードロス削減アイデアコンテスト」の第5回表彰式が行われた。コンテストでは、プラチナ触媒を使った、食品保存技術を活用するアイデアとフードロス削減に繋がるこれまでにない独創的な実証アイデアの2部門あり、全国から8校、10件の応募があった。会場では、賞に選ばれた6チームが、オンラインとリアル会場でアイデアの実証結果を発表した。
 各賞の受賞校とアイデアは次の通り。
■北海道知事賞
☆クラーク記念国際高等学校旭川キャンパス「廃棄野菜から水彩絵の具を作成するキットの開発と普及」
■審査委員長賞&エヌ・イーケムキャット賞
☆苫小牧工業高等専門学校「デシケーター倉庫での触媒設置条件の検討」
■フードロス削減賞
☆N高等学校・S高等学校・R高等学校新潟キャンパス(チーム名・食べ残しているようじゃ無理か。フードロスはね、取り組まないと)「フードロス削減に向けた『身近な人へのアクション』と『同年代に向けたデジタルアクション』」
■ノーステック財団賞
☆北海道夕張高等学校(チーム名・メロウ メロン)「青果鮮度保持運送システム『新鮮護り機構・参式』」
■セコマ賞
☆N高等学校長崎佐世保キャンパス(チーム名・チームとぎ汁)「一目でわかる!めくれる賞味期限シール」
■札幌花き園芸賞
☆北海道岩見沢農業高等学校(チーム名・生活科学科食品流通班)「プラチナ触媒を利用した共同研究プロジェクト 切り花流通の鮮度保持に係る研究」

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