アトリエ・モリヒコが振り切った未来型コンセプトショップ「JBx college st.」

経済総合

 個性的なコーヒー店舗「森彦」や「MORIHICO.」を札幌で展開しているアトリエ・モリヒコ(本社・札幌市白石区)が、コーヒー店舗の未来形とも言える、振り切ったラボ型店舗「JBx college st.(カレッジストリート)」(同市北区北18条西5丁目2-38、S-FORT北大前1階)を2025年6月24日(火)、北大通(西5丁目樽川通)にオープンさせる。(写真は、「JBx college st.」を紹介する市川草介代表取締役兼アートディレクター=中央)
(写真は、赤黒が映えるJBソフトクリーム)

 アトリエ・モリヒコの店舗は現在、札幌市内に12店舗あるが、それぞれ店舗の個性が異なり、モリヒコファンの間では、店舗巡りも行われている。「ハンドドリップ」「フルサービス」が、モリヒコのベースにあるが、今回の店舗は、それとは対極にある尖った次世代型店舗。「30年近く店舗を運営してきて、私なりの世界観を反映してきたが、社員の間から“もっと挑戦を”という声が沸き上がってきた。今回の店舗は、社員の提案から生まれたモリヒコが追求する新しい店舗の在り方」と市川草介代表取締役兼アートディレクター。

 焙煎器を店内に設置し、焙煎から抽出までをスマートフォンで管理するIoT(モノのインターネット)を多用したラボ型店舗。お客が、豆の風味を味わってから豆を選び、焙煎直後のコーヒーを、ハンドドリップやエスプレッソ、カフェラテのタイプで選択できる。価格は、500円から。

 焙煎器やエスプレッソマシンは、店内の見えるところに配置しており、コーヒーができるまでの現場の躍動感を、店員と共有できる仕掛けになっている。コーヒーの提供とともに、選んだ豆の種類や量、抽出タイムなどのデータを手書きで認めたカードももらえる。モリヒコの他店舗や催事で提供している、季節に合わせたJBソフトクリームも用意する。

 社員の提案というものの、立地や内装デザインの多くは、市川さんのこだわりが反映されている。「こんな尖った店舗を、札幌駅前や大通でつくっても当たり前の予定調和になってしまう。尖った店舗がない北大通だからこそ、意味がある。北大通のイメージを変えていきたい」。白と銀の無機質なアート空間の至る所に「X」の造形が施され、モリヒコの“情”的空間とまさに対極の“理”的空間が13坪に凝縮されている。モリヒコは、このJBxをパッケージ化して、全国フランチャイズを狙う。「モリヒコとJBxという二つのブランドに磨きをかけて、両極のコーヒー専門店を追求していきたい」と市川さんは話していた。

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