釣り用品、アウトドア用品の卸と小売りを展開しているアイビック(本社・札幌市東区)とたれ、だし、スープ製造販売のアイビック食品(同・同)が、折半出資して設立した地方創生の企画・運営・コンサルティング、アイビックソリューションズ(同・同)は、2025年4月9日、北洋銀行(本店・同市中央区)と「地方創生に関する包括連携協定」を締結した。北洋銀は、道内自治体と地方創生に関する協定を締結しているが、民間企業とこうした協定を結ぶのは初めて。(写真は、包括連携協定締結式。左から北洋銀・津山博恒頭取、アイビックソリューションズ・牧野良彦社長)
アイビックグループは、釣り用品やアウトドア用品の卸・小売り、食品製造など中核事業を有機的に連携させて、面展開を行う地方創生事業を既に行っている。具体的には、2024年4月に全面開業したアウトドア体験施設「キャンパーズアンドアングラーズ北広島」(北広島市)があり、フィッシング、アウトドア、飲食の物販と体験を融合させたアクティビティとして関係人口創出に貢献している。
また、国土交通省と連携して、2021年に釣り文化振興モデル港として指定された苫小牧東港の一本防波堤を借り受け、北海道で初の有料釣り施設として開放する取り組みも行っている。こうした地方創生に関するノウハウを道内全域に広げていくために、アイビックグループは2025年1月に、アイビックソリューションズを資本金800万円で設立した。
今回、室蘭港、江差港も国土交通省の釣り文化振興モデル港に指定されたことから、港を核にした自治体の地方創生をより幅広に進めることで、アイビックソリューションズと北洋銀の考えが一致、地方創生に関する包括連携協定を締結することになった。アイビックグループが有するフィッシング、アウトドア、食品のモノ・コト事業と北洋銀のソリューション機能、顧客とのコネクション、資金を掛け合わせて、道内各地域の課題解決に繋げていく。アイビックグループは、各自治体の施設運営に関わる収入や食品、物販の販売で収益を確保して、持続可能なビジネスにする。
この日、アイビック食品の「北海道みらいキッチンGOKAN」で協定締結式が行われ、アイビックソリューションズの牧野良彦社長と北洋銀の津山博恒頭取が、協定書に署名した。牧野社長は、「北洋銀と連携して、地方を一緒に盛り上げていく協力者を増やしていき、地方創生を進めていきたい」と話した。自身も海釣りファンという津山頭取は、「道内の首長と話すと、港湾整備と観光がうまく結びついていなかったり、地元の食材が生かせていなかったりという悩みをよく聞く。協定締結によって自治体への地方創生の提案に繋げ、プロ人材の紹介も行いたい」と話した。