札幌のテーマパーク型ダンスクラブ「KING∞XMHU」(キングムー)が、2023年5月27日に営業を終了した。「キングムー」はバブル期を経て一旦閉館したが、所有者が変わって2016年4月に再オープンしていた。コロナ禍を経てポストコロナ時代に向かう中、7年で閉館した。(写真は、2023年5月27日で閉館した「KING∞XMHU」=2023年5月26日撮影)
(写真は、歯型のDJブースがあるホール)

「キングムー」は、バブル期の1991年に北開観光(本社・札幌市中央区)がオープンさせたディスコ。奇抜な外観デザインが人気を集め、札幌のディスコ・クラブシーンの一時期を彩った。所有者が変わって2008年頃まで営業が続いたが、その後は閉鎖され、奇抜な造形だけが残っていた。

 2014年になって動きが出る。所有者が三新(本社・東京都台東区)に変わり、再開に向けた準備が進んだ。三新は、東京に本社を置くオフィスビル運営、美浜のグループ会社。美浜は札幌にも数棟のビルを所有運営している。三新は、2016年4月30日に、「KING∞XMHU」として再オープンさせた。

 建物の内部は、「∞」(無限大)をコンセプトに、8の字に回遊できるように趣向を凝らし、宇宙空間から現代、古代へとタイムトラベルしたような感覚を楽しめる。テーマが異なる4つのフロアには、最新鋭の音響、照明システムを配備、それぞれのコンセプトに応じたジャンルの音楽を満喫できるクラブだった。運営は、ケイエムプロジェクト(本社・札幌市中央区)が行っていた。

 再オープンから7年で延べ100万人が来店したが、今回、閉店することになった。運営していたケイエムプロジェクトは、「閉店理由はお話しできない」としている。なお、所有者は現在も三新で変化はない。折しもススキノは今秋オープンする複合商業施設「COCONO SUSUKINO」によって大変革の兆しがある。キングムーの再々復活はあるのか、それとも建物は別転用されるのか、ススキノの動向を占う一つのポイントになりそうだ。


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