今年夏に開業する複合商業施設「moyuk SAPPORO(モユクサッポロ)」(札幌市中央区南2条西3丁目20番地)のメイン施設となる都市型水族館「AOAO SAPPORO」に、ペンギンが飛び跳ねて移動する行動を間近に観察できる、世界初の展示システムが導入される。(画像は、陸場の高さや形状が変化する展示システム=AOAO提供)
(画像は、イワトビペンギンの行動が間近に観察できる展示水槽=AOAO提供)

「AOAO SAPPORO」は、ユニホー(本社・名古屋市名東区)が「moyuk SAPPORO」の4階~6階、延べ床面積約1545坪(約5100㎡、バックヤード含む)を使って開設する都市型水族館。主要展示物の一つとして、水草が繁茂する水中景観の中で、小さな生き物たちの営みを自然の中の姿で観察できる日本発祥の展示スタイル「ネイチャーアクアリウム」の導入が決まっているが、今回、展示第2弾としてペンギンが飛び跳ねる展示水槽の導入を決めた。

 この水槽の陸場は、自然の岩場を再現した形状ではなく、六角形のブロックを組み合わせることで形成する陸場。ブロックを積み重ねることができるようになっており、ブロックの数や組み合わせを変えることで、陸場の高さや形状を変えることができ、ペンギンが過ごす環境を変化させることができる。

 一つのブロックの高さは、陸場を飛び跳ねながら移動するイワトビペンギンの習性が生かせる構造になっている。ペンギン施設関係者や研究者、保全団体、ペンギンファンなど数百人が集まる全国大会を開催しているNGO(非政府組織)「ペンギン会議」によると、陸場を変化させてペンギンの跳ぶ姿を行動展示するのは世界初という。

 陸場の面積は約7・5坪(25㎡)、水場の面積は約17坪(56㎡)で、水場は浅瀬や深場など4段階に分かれている。展示水量は約64tで、水流の強弱、向きなども変えられる。展示するのは、キタイワトビペンギン。体調55cmから65cmで、頭部に黄色い飾り羽(冠羽)が特徴的なペンギン。岩場をピョンピョンとジャンプして移動することから「イワトビ」という名前が付いている。

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