まるで巨大なカニの爪が2本、空に聳えているようだ。高さは100m近くにも及びそうで近くの送電塔よりもはるかに高い。このカニの爪が立っているのは、恵庭市戸磯南工業団地の一角。大型連休の合間、しばしの休息を楽しんでいるように見える。(写真は、巨大なクレーンが2本立っている横浜冷凍の「恵庭スマート物流センター」(仮称)の建設現場)
横浜冷凍(本社・横浜市西区)が建設を進めている「恵庭スマート物流センター」(仮称)の建設現場。工事は2021年10月から始まっている。巨大なカニの爪のようなものは大型クレーンで、鉄骨などを持ち上げるために使われている。「スマート」と言うように、この施設は地球環境へ最大限の配慮を施したものになりそう。同社の北海道地区の施設としては初となる、太陽光発電システムと大容量リチウムイオン蓄電池を導入。発電したエネルギーを冷蔵倉庫内の冷却や事務所棟の照明や電源に使用。また、このセンターで使用するEV(電気自動車)向けに、太陽光発電システムと蓄電池を連携させた充電ステーションも設置する予定になっている。
冷却設備には、省エネ型自然冷媒冷凍機を採用。北海道の気候を生かし、冬季には、外気を利用してC(クーラー)級室(冷蔵、チルド温度帯)の温度管理が行えるシステムも取り入れる。敷地面積約5301坪(1万7525㎡)、建築面積約2503坪(8276㎡)。倉庫棟は鉄筋コンクリート造3階建て、事務所棟は鉄骨造2階建て、延べ床面積は約7286坪(2万4087㎡)。倉庫の収容能力は3万543t。設計、監理は梓設計(東京都大田区)、施工は東亜建設工業(本社・同都新宿区)の東日本建築支店(同)。竣工は2023年5月の予定。
横浜冷凍は、道内に「石狩物流センター」、「石狩第2物流センター」(小樽市)、「喜茂別物流センター」(虻田郡喜茂別町)、「十勝物流センター」、「十勝第2物流センター」、「十勝第3物流センター」(河西郡芽室町)の5センターを展開しており、今回の「恵庭スマート物流センター」で道内ネットワークの強化を図る。大型連休期間中は、工事が行われておらず、周囲は静穏に包まれていた。巨大なカニの爪が寄り添うように青空に向かっていた。