遠ざかるJR旧苗穂駅の記憶、跡地に中古車販売店

経済総合

 新駅設置に伴い閉鎖、解体されたJR旧苗穂駅。その駅舎跡地(札幌市中央区北3条東13丁目)に、中古車センターが建設される。古き良き昭和の面影を残していた旧苗穂駅の解体から2年、旧駅の記憶は遠ざかり、新しい役割を担う建物が誕生する。(写真は、旧苗穂駅跡地に建設中の「U-Select苗穂駅前」)

 旧苗穂駅は、札幌市内に数少なく残っていた戦前築造の駅舎だった。新駅開業によって84年間の役割を終え、駅舎や跨線橋、ホームがすべて撤去されたのは2019年末頃だった。2020年には、駅舎をイメージさせる痕跡は消え、そこに何があったのかさえ想像できないようになっていた。

 それから2年、駅舎跡地を利用してホンダカーズ南札幌(本社・札幌市中央区)が、中古車販売店「U-Select苗穂駅前」の建設を始めた。販売店のほか、サービス工場やレンタカー店も併設する。既に、旧駅前を走る平和通へと名称を変える北3条通には、工事用フェンスが立てられ建設工事が始まっている。建物の設計、監理はアトリエティーズ設計(札幌市豊平区)、施工は大和ハウス工業(本社・大阪市北区)北海道支社(札幌市東区)。工期は2022年8月26日までとなっている。

 ホンダカーズ南札幌の中古車販売店「U-Select」は現在、「羊ヶ丘」(札幌市清田区)と「おおあさ」(江別市)の2店舗。「苗穂駅前」は3店舗目になる。新店舗の近くには、北海道マツダ販売(本社・札幌市中央区)の販売店「札幌苗穂」と同社のグループ企業、シュテルン札幌(本社・札幌市中央区)の「メルセデス・ベンツ札幌中央」があり、カーディーラーの集積が進む。
 近くの緑地帯に設置されているD51の動輪モニュメントが、わずかに旧苗穂駅の痕跡をとどめることになりそう。 
 

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