商業施設の企画設計コンサル、ディール企画の野呂幸司社長(74)が札幌中央倫理法人会の「経営者モーニングセミナー」で講演した。同法人会は毎週水曜日に午前6時30分から札幌市中央区のホテルライフォート札幌でモーニングセミナーを開催している。野呂社長は、『切に生きる』をテーマに約40分間、道学芸大山岳部での旭岳遭難や凍傷による両足首の切断、身障者として国体スキー大会に出場したことなど実体験から得た人生観について話した。(写真は、札幌中央倫理法人会のモーニングセミナーで講演する野呂幸司社長=24日)
野呂社長は、1962年に道学芸大山岳部のチーフリーダーとして10名のパーティとともに大雪山旭岳で冬山合宿。二つ玉低気圧による悪天候で遭難し、野呂社長だけが生き残った。
しかし、凍傷によって両足のショパール関節から切断したが、義足によるリハビリで教員採用試験に合格、函館で中学校教員として社会人のスタートを切った。その後、身障者の国体スキーに出場、教員のみの大会では健常者とともに滑り5位入賞。スキーの準指導員資格も得た。
教員を退職した明治生命を経て78年に紋別市で友人と鉄工所を経営。しかし、200カイリ規制による漁業不振や不渡り手形を掴まされこともあって廃業。85年に建築企画設計のディール企画を友人と設立し90年から代表取締役として道内で数多くの商業施設店舗の企画設計、コンサルを手掛けてきた。
野呂社長は、「人生に不可能はない。店舗建設には用途制限があるが、法律には必ず但し書きがある。周辺に住んでいる人たちのためになるのであれば、用途制限はクリアされる。法律はそこに住んでいる人たちの生活の利便性を向上させていくことに本当の意味がある」と述べ、用途制限で食品ス ーパーなどが建てられなかった場所でも周辺住民の総意があれば可能になった事例を紹介した。
モーニングセミナーには71社89人が参加し野呂社長の講演に耳を傾けた。なお、野呂社長は11月8日にも札幌エルプラザで道警の主催による講演会で冬山登山の注意点などを自身の経験に基づいて講演する。