(写真は、お店のもう一つの売りとなっている日本酒と自然派ワイン)

 店の売りは、ピザだけではない。一般的には知られていないような「鳳凰美田」、「三千櫻」、「義侠」などの日本酒、「a-iuto!」など自然派ワイン(ブドウの栽培から発酵、ビン詰めまで自然に近い形で製造されるワイン)を揃えていること。「お客さまが普段は飲んだことがないようなお酒を提供したかった。苫小牧には自然派ワインを提供しているお店がまだ少ないので、遠くからでもお店に足を運んでくれます」(木村さん)

 目指すのは、地域に愛されるお店だという。店名の「ポポラーレ」は、気軽な、庶民的なというイタリア語から取った。「お客さまとスタッフの距離が近いお店にするために、オープンキッチンにして交流できるようにしました。将来的にはその日に仕入れた食材をお客さまが選べる、オーダーメイドのピザを提供したいですね」と木村さんは目を輝かせる。

 木村さんにはもう一つの夢がある。それは保育園を経営することだという。「幼児や子どもの虐待という悲しい話を聞くことが多いため、何とかそうした子どもたちを救えないかと考えた結果、自分で保育園を経営したいと思うようになりました。そのために経営者として社会経験を積まなければなりません。今度のお店で地域のお客さまや様々な関係者と接触することで自分を磨きたい」(木村さん)

 昨年は、札幌の飲食店舗で働きながら苫小牧の保育園で実習を受け、保育士試験に向けた準備も進めてきた。お店には、実習をした保育園の園児たちが色紙で作ってくれたたくさんのピザが飾られている。飲食店経営と保育園経営という2つの目標に向け、木村さんの歩みが始まった。
(写真は、「ピッツェリア ポポラーレ」の外観)

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