北海道電力(本店・札幌市中央区)の2020年度決算は、純利益が361億円と過去3番目という高水準の利益計上となった。1月に公表した業績予想と比べて100億円も上振れした。(写真は、北電の2020年度決算を発表する藤井裕社長)

 1994年度に連結決算を導入してから純利益の最高額は、泊原子力発電所が稼働していた2008年度の408億円で、20年度はそれに迫る利益水準になった。高い利益水準になったことについて、北電は、1月の寒波による電力需要の増加と燃料・資機材調達の効率化による上積みによるものとしている。火力発電に比べて経費が少なくて済む水力発電の供給電力量は、32億7700万kW時と前年度に比べて5・3%増加、火力は180億2000kW時で同0・1%減少した。電気事業に係る営業費用は、前年度に比べて3・5%、額にして229億4600万円減少した。

 また、今冬の寒波による影響もあって、北海道・本州間連携設備(北本連携設備)による他社販売電力量は、合計で38億2000万kW時と前年度より35・6%増加したことも利益水準を高めることに繋がった。

 こうした高水準の利益になったことで、期末配当を前年度に比べて10円増配して1株につき15円とし、年間20円とすることにしている。北電の20年度貸借対照表によると長期投資の残高も増えている。長期投資とは関連会社株式や子会社株式の持株数を増やしたり、長期貸付金などを増やしたりしたことを示すもの。18年度は471億7300万円、19年度は460億2000万円と減少していたが、20年度は521億4400万円と61億2400万円増加した。法人税額などを勘案せずに単純に長期投資増加分を利益に組み込むと、純利益額は422億円と08年度の過去最高額を超える水準になったようだ。


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