コロナ禍の中、札幌の外食業界のブランド転換が活発だ。嗜好や外食スタイルの変化に合わせて安定的な需要を取り込もうというもので、ラーメンの「山岡家」が既存店を味噌ラーメン専門店に、定食の「まいどおおきに食堂」が「とんかつ玉藤」にそれぞれ転換する。飲食業界のブランド転換は今後も続きそうだ。(写真は、3月22日にオープンする「味噌ラーメン山岡家すすきの店」)
(写真は、4月1日オープンに向けて改装中の「とんかつ玉藤里塚店」)
「山岡家」を展開する丸千代山岡家(本社・札幌市東区)は、3月22日(月)に味噌ラーメン専門店「味噌ラーメン山岡家すすきの店」(札幌市中央区南5条西4丁目7ー6、菊良ビル1階)をオープンさせる。以前は、同社が2018年3月26日に始めた煮干しラーメン専門店「2代目極煮干し本舗すすきの店」だったが、同店を閉店させて新たに味噌ラーメン専門店に切り替えた。
「味噌ラーメン山岡家」の味噌ラーメンは、昆布とシイタケから出汁を取ったスープと、豚骨スープをバランスよく配合した特製スープに北海道産の味噌をブレンド、仕上げに特製香味油で味噌の風味を引き立てる。同社は、「札幌味噌ラーメン激戦区に一石を投じる味噌ラーメン」としている。オープンの22日から25日(木)までの4日間、ラーメン全品100円引きのほか、先着3000人に餃子無料券、先着2000人にご当地ヤマオカ豚骨帳、先着1000人に山岡家オリジナルBOXテッシュを進呈する。
受託給食事業や外食事業を展開しているどうきゆう(本社・札幌市豊平区)は、4月1日(木)に「とんかつ玉藤里塚店」(札幌市清田区里塚2条7丁目1ー10)をオープンさせる。この店舗は、同社が15年前に始めたフジオフードシステム(本社・大阪市北区)のフランチャイズ(FC)店「まいどおおきに食堂札幌里塚食堂」だった。定食をメインとする店舗は競争が激しく、コロナ禍で客数も伸び悩んでいるため今年2月14日に閉店、直営のとんかつ専門店に転換することにした。
「とんかつ玉藤」は職人が調理する専門店で、同社によると「里塚店は、人と人との結びつき、関わり合い、繋がり合い、想い合いを大切にしたお客さまとのコミュニケーションを通じて、空気感やぬくもり、息吹や躍動感を感じるような五感マーケティングによるブランド戦略を具現化した店舗設計」としている。なお、「とんかつ玉藤」は、今度の店舗を含めて11店舗目になる。
コロナ禍で外食業界では、札幌でもファミリーレストランや居酒屋の閉店が相次いでいるが、複数ブランドを展開する外食企業の中では、ウィズコロナ時代を見据えて、より安定的な収益が見込めるブランドへの転換を進めるケースが増えそうだ。