北海道のスタートアップと支援者などで組織する北海道インデペンデンツクラブは13日、札幌市中央区の札幌証券取引所で事業計画発表会を開催した。コロナ禍で今年初の北海道開催となった今回は、バーチャルキャスト(本社・札幌市中央区)の松井健太郎代表取締役とエヌビィー健康研究所(同・同市北区)の高山喜好代表取締役がそれぞれ事業概要や今後の方針などについて発表した。(写真は、事業計画を発表をするバーチャルキャストの松井健太郎代表取締役)

 バーチャルキャストは、VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)のアプリケーション開発などのインフィニットループ(札幌本社・札幌市中央区)と「ニコニコ動画」などのドワンゴ(本社・東京都中央区)が合弁で2018年7月に設立したVRサービス・バーチャルキャストの開発運営会社。19年9月には10億円の資金調達を行った。
「誰でもVTuberになれる」という配信ソフトから開発をスタートさせ、VR空間に16人が入って互いに繋がることができ、現実にショッピングなども可能なVRプラットフォーム「バーチャルキャスト」は映像制作分野などで実績をつくっている。

 松井代表取締役は、「コロナ禍で北海道の物産品が大量の在庫を抱えていたためYouTubeでショッピング番組を行い販売、8月にはクリプトン・フューチャー・メディアなど3社で『ミクランド』というバーチャルイベントを実施して商品販売も行った」と述べ、「バーチャルキャスト」の利用が広がっていることを報告。

 キャラクターや背景を変更でき、実写にも対応できるため、ビジネス需要にも広がっているとして、企業の研修や学校教育の事例も紹介。松井氏は、「VRを使った研修に以前から積極的に取り組んでいたのがウォルマートで、日本企業も少しずつ取り入れるようになり、松屋やファミリーマートでの導入が始まっている。教育でも、通信制のN高校とS高校で普通科のVR教育システムにバーチャルキャストがプラットフォームとして採用された」と話した。

 このように企業の研修や学校教育の分野で市場の拡大が見込めるが、同社では英会話分野にも期待している。「英会話で背景を変えることによって実際にその場で話すような臨場感をつくることもでき、習得がはかどる効果が期待できる。VRを利用した教育、研修は大きな可能性があるので企業とのマッチングを行っていきたい」と述べた。
 エヌビィー健康研究所の高山代表取締役の事業計画発表は、次回に掲載する。



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