札幌市長秋元克広氏が再選出馬に向け公約発表、高揚感なく淡々

札幌市政

 札幌市の秋元克広市長(63)は5日、4月の市長選挙再選出馬に向け公約を発表した。札幌市中央区の札幌グランドホテルで行われた会見に臨んだ秋元氏は冒頭、1期4年について「公約をほぼ達成した」と自信を示し、次の4年に向けた6つのテーマと主要プロジェクトについて話した。(写真、公約を発表する秋元克広氏)

 秋元氏は、2022年に札幌市が市政施行100周年を迎えることに触れ、「歴史の襷を繋ぐ一人として次なる100年に向けて確実な歩みを進めたい」と述べ、公約の柱として6つのテーマを掲げた。

 1期目の最重要テーマとした経済・雇用について「街づくりの基本が経済の安定と雇用であることは間違いないが、1期目に企業活動が動き出すよう意を用いてやってきたことで企業活動は活発になってきた。経済・雇用施策は引き続き継続するが、これまで手を付けてこなかった地域包括ケアなど高齢者福祉に重点を置くことにした」と述べ、公約の最初に『福祉・医療・介護、暮らし、防災』を挙げた。
 具体的には、区役所を基幹的な相談・支援拠点として機能強化を図り、医療と介護の連携をサポート、健康寿命を延ばして高齢者の社会参加を支えるとした。

 2点目は、『経済・雇用』で、札幌から離れる若年層を念頭に「定住して家庭を築いていけるように企業誘致や次世代産業育成に取り組む」と述べた。今後の成長市場であるxR技術(VR=バーチャルリアリティ、人工現実、AR=拡張現実、MR=複合現実など現実世界に実際に存在しないものを表現、体験できる先端技術の総称)やeスポーツ(コンピューターゲーム、ビデオゲームを使ったスポーツ競技)分野で事業展開する企業を応援、若者の創業マインド醸成を図り札幌発のスタートアップ創出支援も行うとした。
 さらに都心部のバスターミナル整備、都市アクセス道の早期実現、丘珠空港の利用促進、大谷地流通業務団地の施設更新を支える取り組み、さっぽろ連携中枢都市圏の取り組みを推進していくことも示した。

 3点目の『女性・子育て』では、子ども医療費の無料化を小学校6年生まで拡大すること、4点目の『子ども・教育』では、増加する児童虐待に対応するため第2の児童相談所を開設するほか、少人数学級の対象を拡大して少人数教育の充実を図ることなどを説明した。

 5点目は、『街づくり、環境、スポーツ・文化、人権』で、2030年度の北海道新幹線札幌延伸を見据えた街のリニューアルを引き続き進め、地域新電力の展開で世界モデルを構築するとした。また、冬季オリンピック・パラリンピックの30年招致を進め、札幌ドーム周辺の土地利用の在り方を検討、地下鉄清田方面の延伸可能性を検証するほか新札幌、真駒内、篠路地区では駅の拠点性を生かした街づくりを進める。ウインタースポーツの振興と競技力向上に向けて冬季版「ハイパフォーマンスセンター」誘致を進めること、都市型スノーリゾートシティを目指し市内スキー場のリゾート化を進め、大通公園でクロスカントリー競技大会を開催するとした。

 6点目は『行財政改革』で、市立病院の抜本的な経営見直し、市電の上下分離、公共施設マネジメントの取り組みを進めることなどを示した。

 与野党相乗り20年ぶりの選挙となるため、対抗馬がなかなか現れなかったが2月28日に弁護士の渡辺達生氏(54)が共産党推薦で出馬することになった。「無風は想定していなかった。選択肢がある方が望ましい」と秋元氏は語り、得票率について「4年前は49%で半分に少し足りなかった。今回は50%を超える状況をつくっていかないといけない」と話した。

 高揚感を漂わせず肩肘張らず堅実で落ち着いた物腰の会見に終始した。公約の数々は次の100年を目指した札幌に必要なものばかりで異を唱える項目は一つとしてない。気になるのは秋元氏の2期目を目指す情熱度合い。公約会見は、使命感の発露というよりも仕事の説明という色合いが濃かった。秘めたる情熱を漏らす場面があっても良かった。

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