北海道産の牛乳や小麦などを使ったパン店舗のローコスト運営モデル店舗が13日、札幌市西区西町南7丁目2ー31でオープンする。フーズアンドブレッド(本社・札幌市西区)が手掛ける「MOO%(北海道牛乳100%)」がそれで、常時100種類以上の焼きたてパンを販売する。(写真は、13日にオープンする北海道牛乳を使った焼きたてパンの店「MOO%」)
(写真は、約3坪の作業スペース)

 通常のパン生地は、小麦粉と水を使ってバターや砂糖、イーストを練るが、水で練った発酵前の冷凍生地は賞味期限が3ヵ月ほどしかない。フーズアンドブレッドは、病院向けのパンや大手食品卸向けのパンなどを手掛けてきた実績を生かし、牛乳のみで練り、賞味期限1年という発酵前冷凍生地の製造ノウハウを確立した。

「MOO%」は、この発酵前冷凍生地を作ったローコスト運営の実験店舗の位置付け。店内の作業室はパンの形を作るこね台と発酵器、コンベクションオーブン2台を設置した3坪ほどで、ここで常時100種類以上のパンを作ることができる。パンを陳列する売り場はレジも含めて7坪ほど。合計で10坪もあれば生産・販売ができる省スペース店舗となっている。

 一般的な焼きたてパン店舗に比べてスペースは5分の1、設備に掛かる初期コストも必要な機械が少なくて済むため、こちらも5分の1のコストに抑えられる。さらにオープン数ヵ月間は職人1人が就くが、軌道に乗ればパンの製造も入れてパート・アルバイトのみ5人で運営できる。

 フーズアンドブレッドは今度の店舗の開業に向け、中古の発酵器やオーブンを使ったため内装費等を含めて150万円の初期投資で済み、1ヵ月でほぼ回収できるとしている。新品の機械を導入しても開業コストは300万円程度だという。
 同社は既に台湾や香港、ベトナム、中国などの現地会社に発酵前冷凍生地の供給からパン店舗運営までをパッケージとして供与する商談を進めている。また、国内でも今年1月に和歌山市内でこのパッケージを使ったパン店舗が開店した。同社はアジアや国内で北海道産原料を利用したパン店舗の開業を促し、パッケージ販売を進めていく考え。
(店内では100種類のパンを販売=写真)

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