タワレコも入っていた札幌・富樫ビル、半世紀の役目終え解体工事始まる

経済総合

 全テナントが退去し、空きビルになった札幌市中央区南2条西2丁目にある富樫ビル。壁面には核テナントだった「ダイソー」のロゴマークが大きく施されたままだが、ビルの周りの歩道沿いには白いフェンスが設置された。かつてタワーレコードも入っていた札幌の文化発信を担っていた同ビルが半世紀超の歴史を終える。(写真は、解体工事が始まった富樫ビル)

 富樫ビルは、地下3階、地上9階建て。敷地面積約202坪(667㎡)、延べ床面積約2561坪(8452㎡)。曲長(かねちょう)富樫商店(以後、富樫商店、本社・札幌市中央区)が1967年に建設され、今年で53年。70年代や80年代は、タワーレコードやライブハウスもあり、名称も「プリヴィ」と名付けられ、札幌のサブカルチャー発信地の役割も担っていた。
 その後は、フロア面積が国内最大級の「ダイソー札幌中央店」を核テナントに飲食、オフィスなどの入る複合ビルとして平成の時代に堅実な役割を果たしてきた。

 昨年7月、同ビルの土地建物所有者である富樫商店が、香港の外資系ファンドに土地売却契約を締結。それに伴い同ビルに入っているテナントは今年3月末までにすべて退去していた。解体工事は行うのは、岩田地崎建設(本社・札幌市中央区)で注文者は特定目的会社ノース・マウンテン(東京都港区)。解体工事期間は、2020年4月1日から同年11月30日まで。建物解体後にノース・マウンテンは複合ビルを建設する予定になっているが詳細は不明。

 南2条西2丁目の西2丁目線地下には、札幌市が大規模な地下駐輪場を建設中で、完成は22年になる予定。地下駐輪場と新ビルとの接続もポイントになりそうだ。タワレコ退去後の富樫ビルは地味で堅実な印象だった。新しいビルは札幌・大通ゾーンにどんな新風を吹き込むか。

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