一般財団法人さっぽろ産業振興財団は22日、札幌市産業振興センター1階でスタートアップ・プロジェクトルームの入居企業を対象にしたセミナー「虎の穴経営塾」を開催した。今年度第4回目で講師は歯科業界の人材紹介でトップシェアを持つファーストコネクト(本社・札幌市中央区)の宮副俊彦代表取締役が務めた。(写真は、「虎の穴経営塾」で講師を務める宮副俊彦氏)

 産業振興センター内にあるスタートアップ・プロジェクトルームは同センターのインキュベーション施設。起業したばかりの若い会社や個人をバックアップする役割を持ち入居期間は3年以内、その間に経営相談や情報提供など様々な支援を受けることができる。「虎の穴経営塾」もその一環。

 今回、同ルームの入居企業を中心に8人が参加。講師を務めた宮副氏は『札幌におけるベンチャー企業の成長戦略』をテーマに講演した。宮副氏は早稲田大学文学部卒業後に就職した東京のマンションデベロッパーや看護師の人材紹介会社での経験を紹介。「看護師の紹介会社には10年間在籍したが社員10人から2000人に増え、マザーズ上場、東証一部上場へと成長していった。企業が次のステージに進むときにヒト・モノ・カネでどんなことが起こるのかを経験したことが起業に繋がった」と2014年に仲間3人と起業したファーストコネクトの設立経緯を紹介した。

 札幌で起業したことについて「サイトによる特化型人材紹介を何も首都圏でやる必要はない。全国各市の有効求人倍率などを調べ、東京で1000番目になるより札幌で10番目になる方が人材獲得も有利と考え、札幌を選択した」と説明。宮副氏は、「札幌はスタートアップに向いていると思う。スタートアップ企業では採用が大きなポイントになるが優秀な人材を獲得する機会は首都圏よりも多く、資金調達面でも地銀2行がしのぎを削っている地域性がある」などと話した。


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