高級食パン専門店「銀座に志かわ」髙橋仁志社長、「贈答用で食パンに新市場が生まれる」

経済総合

 高級食パン専門店が相次いで札幌に出店している。自分で食べる自家消費用もさることながら贈答品用としても一気に市場が広がりつつある。25日(月)には、東京銀座からスタートした高級食パン専門店「銀座に志かわ」の全国37店舗目の「札幌琴似店」(西区琴似2条3丁目)がオープン、北海道に初上陸する。「札幌琴似店」オープンにあたり札幌入りした銀座仁志川(本社・東京都中央区)の髙橋仁志社長(51)に高級食パン市場に参入した経緯や今後の展開について聞いた。(写真は、インタビューに答える銀座仁志川の髙橋仁志社長)

 ーー社長ご自身の経歴を聞かせてください。

「私は三重県出身で大学卒業後は三重銀行に勤めましたが銀行を3年ほどで退職、外食産業の経営に携わった後、麻生十番モンタボーの社長を務めました。そして実父が営んでいた三重の実家の割烹料亭「こいさん」の名前に由来する「コイサンズ」(三重県津市)を創業。パン事業を立ち上げました。店名も「513(こいさん)ベーカリー」にし、現在は三重県を中心に11店舗を展開しています。その店舗では100種類以上のパンを提供しており、札幌で言えば『どんぐり』さんのようなお店です」

 ーーパン業界のことは熟知しているわけですね。

「パン業界に身を置いて15年になります。少なくとも業界の動向や方向性は理解しているつもりです。今、沸き起こっている高級食パンブームはどちらかというと飲食業など異業種からの参入が多い。高級食パンに参入している企業の中で、パン屋からというのは当社だけではないでしょうか」

「パン作りの経験があるので、食パンを焼く専用のオーブンも独自開発、型枠も専用のものです。アルカリイオン水を使うのも業界の常識にはなかったこと。そのため開発期間に2年間を要しましたが、どこにもない高級食パンの開発に繋がりました。食パン専用のオーブンや型枠を使うことで、フランチャイズ(FC)展開も容易になります。1本1種類の食パンを扱っているので短期間での多店舗展開が可能になっています」


 ーーFC加盟店はどういう基準で選んでいますか。

「『札幌琴似店』はトモステラスさんがフランチャイジーとして展開します。FC店はエリアごとに分けるのではなく1店舗ずつの契約で進めています。フランチャイジーの条件は、『銀座に志かわのパンが好き』、『銀座に志かわのブランドが好き』ということで、結果的に各地域のしっかりした企業がフランチャイジーになっていることが多い。メガフランチャイジーが手掛けるケースはありません」

「FC1店舗当たりの加盟金、機械設備の投資は約2000万円程度です。他に物件取得費や工事費などがありますから3000~4000万円の店舗投資が多いと思います」

 ーー1店舗当たりの売り上げはどのくらいですか。

「1店舗年間約1億円が目標です。グループ全体の売り上げは店舗数とほぼ同じになるのではないかとみています。先行している『乃が美』さんは、現在148店舗で100億円を超えたくらいと聞いていますから、ほぼ同程度とみています」

 ーー札幌では高級食パンの競争が激しくなっています。どう戦いますか。

「2つのポイントで戦っていきます。まず食パンの美味しさで勝ち残ります。私はパン業界に15年いますから、お客さまが求める美味しいパンとはどういうものかについて理解しています。徹底して美味しいパン作りを展開していきます。もう一つはブランディング。『銀座に志かわ』というブランドを浸透させることによって他社との差別化を図っていきたい。他社にもそれぞれ特徴があるが、我々は銀座でスタートとしているので、銀座の名に負けないようなブランディングをしていきます」

「高級食パンの市場はブームのように言われますが、確実に新しい市場が形成されつつあると捉えています。食パンはこれまで自分で食べるものでしたが、人に贈るものに変わりつつあるので新しい市場ができつつあるのです。その中で当然淘汰はあると思いますが、5年後にその市場がなくなるかというと私は絶対になくならないと思います」

 ーーところで成長戦略の一環として株式公開は想定していますか。

「考えてはいません。それよりも来年度中に全国111店舗、売上高100億円超、全県制覇を達成することに邁進していきたい。どこの町でも高級食パンと言ったら『銀座に志かわ』と言われるようになりたいというのが今の一番の目標です」(終わり)
(写真は、「銀座に志かわ」の食パン=1本2斤税別800円と手提げ袋、風呂敷)
 
 

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