札幌市豊平区東月寒向ヶ丘地区の旧道立産業共進会場跡地周辺が大きく変貌することになりそうだ。既に大和リース(本社・大阪市中央区)が、複合商業施設「BRANCH札幌月寒」を着工したほか、隣接地を所有する八紘学園も札幌市に都市計画変更を提案した。都市計画が変更されると、文教・機能複合地区として、医療福祉など生活便利機能を持つ施設も建築できるようになる。(写真は、札幌市の東月寒向ヶ丘地区の都市計画変更事前説明資料から。赤で囲った地区が八紘学園所有地で、青で囲った部分が今回の都市計画変更の予定地)

 旧道立産業共進会場の周辺は、1982年の「北海道大博覧会」開催を契機に道が所有者だった八紘学園から買収。その後、88年に道が中心になってここを舞台に「世界・食の祭典」を開催、大赤字を生み出した因縁の土地でもあった。
 
 産業共進会場老朽化のため道は閉鎖を決め、2017年6月に敷地約12haのうち、約4・4haを公募プロポーザル入札で大和リースに売却、残り約7・8haは市が冬季オリンピック・パラリンピックの関連施設建設を目的に取得した。大和リースは、スーパーマーケットやフィットネスクラブ、クリニックモールなど7棟の建設を開始しており、施設の一部は19年4月に開業、同年6月に全館グランドオープンする予定。
 
 この複合商業施設「BRANCH札幌月寒」に隣接する八紘学園所有の5・8haについて、このほど同学園が都市計画提案制度を利用して都市計画変更の手続きを市に行った。これまでは、「文教A地区」として大学、専門学校、専修学校や畜舎に限定されていた利用を、「文教・機能複合地区」に変更することで、医療福祉など生活便利機能を持つ施設を建設できるようにしたい考え。 
 11月15日に開催される札幌市都市計画審議会で事前説明が予定されており、その後の審議会で変更が了承されれば、市は都市計画変更の決定を行う。
 
 旧産業共進会場に隣接する八紘学園所有地は、市や道の所有地とともに北海道日本ハムファイターズのボールパーク構想候補地として注目されていたが、八紘学園はボールパーク向けの賃貸を拒否した経緯がある。今回、都市計画変更を提案して医療福祉施設向けに土地賃貸ができるようにする。なお、八紘学園の所有地は、この土地を含む東月寒向ヶ丘地区に約61・6haあり、そのうち48・8haは文教A地区の都市計画を据え置く。


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