北海道と沖縄県の民間交流で地方創生モデルをつくり上げていこうと9月1日にサツドラホールディングス(HD、本社・札幌市北区)が主要メンバーとなって発足した「どさんこしまんちゅプロジェクト」。そのキックオフイベントとなる「どさんこしまんちゅフォーラム」が19日、札幌市中央区のプレミアホテル中島公園(旧ホテルアーサー札幌)で開催された。沖縄からの20人を含む約200人が参加した。(写真は、キックオフイベントでプロジェクトのスタートを宣言する代表理事ら。左から富山浩樹実行委員長、富山睦浩代表理事、東良和代表理事)
(フォーラムの最後で、観光需要復活を目指して「北海道は元気」をアピールした参加者たち=写真)

 フォーラムの冒頭、プロジェクトの沖縄県側代表理事を務める東良和氏(沖縄ツーリスト会長)と北海道側の代表理事を務める富山睦浩氏(サツドラHD会長)が登壇。
 東代表理事は、胆振東部地震のお見舞いを述べた上で、「北海道と沖縄は、これまでも様々な交流が親密に行われていた。今回のプロジェクトは、北海道と沖縄の交流2・0とも言えるもので次のステージに移るためのもの。例えば、那覇空港にはLCCでアジア各国から多くの観光客が来ているが、外国人観光客はビジットジャパンフェアで那覇から新千歳空港まで片道1万800円で行けるようになっている。那覇と新千歳をゲートウェイとして互いの観光客がさらに交流することができる。北海道と沖縄から東京を脅かすような勢いをつくりたい」と挨拶した。

 富山代表理事は、「沖縄が好きで高校生の時にパスポート持参で行ったのが初めての沖縄体験。両地域には、共通点があって人間性もとても似ていると感じる。今回、沖縄と北海道で一緒に取り組むことができれば地方創生になるのではないかと思い、プロジェクトを立ち上げることにした。皆さんと一緒に盛り上げていきたい」と述べた。

 続いて実行委員長の富山浩樹氏(サツドラHD社長)がプロジェクトで実施する活動を紹介。富山実行委員長は、「人と人、企業と企業がネットワークを形成して北海道と沖縄だけでなく、日本全体を元気にしていくプロジェクトにしたい」と訴えた。

 プロジェクトでは、地域連携、観光、IT、人材、物流の5つのテーマを設定して活動を始めることにしており、年1回のフォーラム(2019年4月に沖縄開催)や年数回のセミナー、学生も一緒になって新たなアイデアを募る未来会議、そこから出てきたアイデアを実践する企業連携プロジェクト100例の創出などを行うことにしている。

 サツドラHDは、道内でも地域共通カード「EZOCA」の普及など他社を巻き込んだプラットフォームづくりを得意とする経営風土がある。沖縄への出店で現地の事情に精通しているサツドラHDは、共に課題が多い両地域のソリューションモデルをプロジェクトで創造しようとしている。両地域のオープンイノベーションとも言える民主導の取り組みは、官主導意識の強い北海道を変えていきそうだ。
(※旅行ガイド出版を手掛ける石井兄弟社の石井至社長の基調講演と小磯修二前釧路公立大学学長や森本稀哲元プロ野球選手などが参加したパネルディスカッションの内容は後日掲載します)


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