「アクセス鉄道は仙台駅から最速17分で空港に到着する。福岡空港の次に都心から近くて便利な空港だ。しかし、残念ながら30分に1本しか走っていなかった。アクセス鉄道は、第3セクターで膨大な建設資金にあえぎ、債務超過寸前。それでも無理をお願いして今春から1時間3往復に増発してもらった。これから先は車両を増やさなければならないが、何とか15分間隔にしてより便利に利用できるようにしてもらいたい」

「駐車場も少しずつ広げている。1年間で1367台を1594台にした。Web予約もできるようになった。また、スマートフォンで駐車場の混み具合も分かるようになった。利用者からみれば、こういうサービスはあった方が良いに決まっているが、これまではバラバラに空港施設が運営されていたのでできなかった。一刻も早くしようと取り組んだが、駐車場のWeb予約でも1年かかった」

「ターミナルビルの1階をリニューアルして観光案内所も新設、JTBにお願いして入ってもらった。小規模な空港では、旅行代理店はなかなかペイしないので入ってもらえない。コンペの提案には、観光案内所の設置も盛り込んだので早速実現した」

「提案書に書いたことも書いていないこともやっている。屋上展望デッキを無料化してビアガーデンを作ったり、コンセントが少ないという一番多かったクレームに応えて1年間で70ヵ所を超えるコンセントを設置したりした。また、ランナーズポートも作ってシャワールームとロッカールームを備えた。これは空港の周りを走ろうとPRしているもので、少しずつ人気が出ている」
 
「この夏にはゲートを3つ増やす増設工事にも着手した。これができると増便してもスムーズに乗り降りできるようになる。需要増に先んじてキャパシティ増加をしている」

「コンペで打ち出した目標値は5年後に利用者を410万人に、30年後には550万人にすること。2016年度決算では316万人、今年度は341万人、8%増が達成できると思う。これが達成できると410万人の実現にリアリティが出てくる」

「提案書を出した段階で、410万人をどう達成するのか非常に不安だった。しかし運営を始めて2年目に入ると何となくやれそうだという予感がしてきた。反面、貨物は厳しい。やはりナローボディ(中小規模の飛行機)が主流の空港なので大幅に増えない。もう少し考えていかなければならない」

「私たちはエアラインの負担軽減と利用者の満足度向上を目指す取り組みを続ける。そうすることで利用者が増え、さらにエアラインの負担軽減、利用者の満足度向上に継続的に取り組めるようになる。そんなビジネスモデルを回そうとまず料金体系を変えて設備投資を先行的に行っている。利益が出る前からの投資になるが、このビジネスモデルを信じて実行している」

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