札幌・ススキノの老舗寿司店「東(あずま)寿し」が1日、札幌地裁から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約1億5400万円。1875年(明治8年)に創業した北海道で草分けの寿司店だったが、寿司店の競争激化と遺産相続問題も絡んで140年を超える歴史に終止符を打った。IMG_9650(写真は、東寿しの入っているビルの案内板)

 東寿しは、札幌市中央区南4西3のススキノに1970年代に5階建て自社ビルを建設、全館を使用して営業していた。最盛期の2001年12月期には5億6300万円の売り上げがあった。
 しかし、リーマンショックによる飲食不況や同業他社の進出など競争激化に加えて遺産相続問題も尾を引いて、自社ビルを不動産賃貸のキタコー(本社・札幌市中央区)に売却。
 
 キタコーは老朽化していた東寿しビルを解体して地下1階、地上10階の「S4ビル」を2013年12月に完成させ、東寿しは同ビル内の7~8階で営業していた。
 しかし、業績は回復せず、札幌伏見地区で営業していた和食店を売却するなどして対応していたが、15年6月期の売上高は1億2800万円に減っていた。
 
 東寿しを巡っては危機説が囁かれることが多かったが、年末の書き入れ時まで経営が継続できればひと息つけるのではという声もあった。ただ、来年2月ころには資金ショートし、Xデーを迎えると言われていた。
※2016年11月7日記事一部訂正。遺産問題は前代表死去後ではなく生前中のことでした。

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