北海道から第2のニトリやアインのようなグローバル企業を作っていこうと官民一体となった経営者育成組織「北海道経営未来塾」の第1期生20人の入塾式が11日、札幌市中央区のホテルさっぽろ芸文館で行われた。林幹雄経済産業大臣や高橋はるみ道知事、秋元克広札幌市長、高向巌道商工会議所連合会会頭などが出席した。(入塾式に臨んだ第1期塾生たち)
「北海道経営未来塾」は、元ニトリ特別顧問の長内順一氏(68)が提唱して実現した経営塾。長内氏はニトリが札幌から飛躍して全国企業、グローバル企業になっていく過程を実体験、企業が成長するには法則があるとして地元北海道の若手経営者にその法則を感じ取ってもらうことを目的にしている。札幌商工会議所や札幌市、北洋銀行、北海道銀行なども参加、官民一体となった実行委員会が推進母体になる。
第1期生は、応募者約70人から選考された20人で石屋製菓の石水創社長(34)、鶴雅リゾートの大西希常務(33)、中和石油の杉澤謙次郎代表取締役(40)、野口観光の野口和秀常務(38)など企業や医療法人、学校法人などの二世経営者が中心になっている。
入塾式に先立ち国際協力機構(JICA)と経営未来塾実行委員会が事業提携を調印、塾生企業の海外展開をサポートする体制も整えた。
塾生を前に実行委員長で塾長の長内氏は、「地域で企業を育てるのは特異なことだが、地方創生の折りこれからの流れになると思う。塾生は北海道の大地にしっかり足を付けて経済界のトップリーダーになることを決意してもらいたい。他人と過去は変えることができないが、自分の未来は変えることができる。変えるのは今でありこの塾だ。これから1年間、日本や世界を動かしている経営者が毎月北海道にやってくる。真正面からぶつかって吸収して成長してもらいたい」と話した。
(経済界のトップリーダーになることを決意してほしいと訴える長内順一塾長=写真)
(決断と実行の大切さを話す林幹雄経産大臣=写真)
続いて林幹雄経産大臣が、「未来塾の皆さんがどんどん羽ばたくようになれば経産省もこういう塾を日本中に作って応援したい。やるかやらないかは自分次第。決断と実行で先を目指してほしい」と祝辞を述べた。
また、長内氏が国会議員初当選の際に同期だった安倍首相の祝電も披露され、「塾生たちが北海道新開拓の先駆者になってほしい」とメッセージが読み上げられた。
その後、入塾証が長内塾長から塾生20人に手渡され、塾頭を務めることになった石水氏は、「私たちは今後講師となる経営者の方々から多くを学び、交流の場を通して自分の意見をぶつけていき塾生とも切磋琢磨しなから成長したい」と決意表明していた。
(写真は塾頭に就任した石水創氏)
7月はニトリホールディングスの似鳥昭雄会長、8月東急グループ代表で東京急行電鉄の野本弘文社長、9月オリックスの宮内義彦シニア・チェアマン、10月吉野家ホールディングスの安部修仁会長、11月JXホールディングスの渡文明名誉顧問が来札して塾生に講義する予定。