北海道経済連合会(道経連)の次期会長に前北海道電力副社長で北電興業社長の髙橋賢友氏(62)が就任するという。大内全会長(67)は、1期2年で退任。理由は体調不良とされている。道経連会長は1974年の設立から2014年まで北電会長が7代続けて就任してきたが、大内氏に続き髙橋氏という副社長OBがバトンを引き継ぐ。(写真は2年で退任する大内全・道経連会長)
強力なリーダーシップで道経連会長を6年務めた近藤龍夫氏(北電元会長)の後を継いだ大内氏にはかなりの重圧があっただろう。代々、北電会長が就いてきたポストに副社長OBが就くという異例の交代。タイミングとしては、アベノミクス効果やインバウンドの増加で明るさが見え始めた北海道経済だったが、泊原発の停止、電力料金値上げなど経済浮揚の重しとなっているのが北電というネジレに、大内会長自身も出口を見出すことができなかった。
2年で組織のトップが変わるのは、自らその組織の地位低下を招いているとしか見えない。正直、2年では何もできない。人の顔を覚え現状把握をするだけで終わってしまう。施策を打ち出すヒマもない。結局、1人称で経済を語れぬままバトンを引き継ぐことになる。「私はこう思う」、「私はこうしたい」という1人称で語ってこそ経済界のリーダーではないだろうか。
地方創生、空港民営化、泊原発、TPPなど北海道経済の課題は尽きることがない。道経連は北海道経済の行き先を示す司令塔の役割を持っている。その期待に応える組織なのかどうか、道経連は自ら足元を見つめ直して欲しい。