佐藤水産が製造している魚醤油が人気だそうだ。石狩市にある同社のサーモンファクトリー内に魚醤油工場を建設、生産体制を整えて全国から注文を受けている。
この魚醤油は、鮭の内臓、つまり“あら”を使っているから100%天然。食品添加物はゼロ。お湯を加えればめんつゆになり、お酢と柑橘類の絞り汁を加えるとポン酢醤油になる。また、この魚醤油を使った石狩ラーメンやつけ麺は大好評だそう。
さらにここからが面白い。
魚醤油を作る過程で出てくる搾りかすを有効利用しているのだ。この搾りかすを粉末にして鶏に食べさせると、おいしい卵を産むという。
おいしい卵と言えば、青森県常磐農協では休耕田を利用して作った飼料米を鶏に食べさせておいしい卵を生産している。飼料米を籾の付いたまま食べさせると、それを食べた鶏の卵はホワイトエッグと呼ばれるほど白くなるという。この卵はいくらか?何と1個が117円というから、これは普通の卵の10個入りパックに近い値段。
鶏は薩摩地鶏の系統だそうで、卵を産まなくなったら鶏肉として出荷、旨い鶏肉として需要は根強い。
ところで、鶏の餌の多くは外国からの輸入に頼っているのが現状。青森の常盤農協では休耕田を利用して作った飼料米を餌に使っているから外国産の餌を使う必要がなくなった。常盤農協のキャッチフレーズは、『飼料米の活用が日本を救う』だそうだ。大げさのように聞こえるかもしれないが、鶏や牛、豚の餌の多くは外国からの輸入に頼っていて、それが国内自給率を押し下げている一因でもある。
常葉農協が手掛けているのは休耕田の利用から始まって卵、鶏肉生産へとサイクルが確立されており、自給率向上にも役立っている。
話を戻すと、佐藤水産の魚醤油も副産物として出てくる搾りかすを利用して常磐農協のようなサイクル確立を目指す動きで、鮭が鶏を食べさせておいしい卵と鶏肉を生産できれば付加価値向上と餌の自給に繋がる。
水産と農業が結び付く食の付加価値化は、北海道の強みになるのは間違いない。