丸井今井が民事再生法を申請してから1年半が経過、札幌本店や函館店は三越伊勢丹の子会社として新スタートを切っているが、未だに民事再生は終結していない。その原因は、閉鎖されたままの旧旭川店の売却先が決まらないためだ。
今年初めから名乗りを上げていた極東証券は正式に買うのかどうか曖昧なまま時が経過、タイムリミットとされる9月末、ようやく重い腰を上げた。


新聞報道によると、取締役会で取得を決めたというものだが、記事を読む限り丸井今井の代理人である橋本昭夫弁護士に正式買い付けの申し込みはしていない。つまり、買うことを決めただけで今後価格面ですり合わせを行うということにすぎない。
旭川のメディア関係者によると、「9月末の極東証券の取締役会で決まったのは、旧丸井今井旭川店の取得について担当部署の判断に任せるということを決めただけで、これが取得に結びつくのかどうかは不透明」と言う。
担当部署が取得を決めても、取締役会で否決されれば御破算になりかねない。つまり、テナント交渉、抵当権者、そして代理人との調整を同時並行で進めるスタート地点に立ったということにすぎないのである。これでは今年初めからほとんど進んでいないことになる。
極東証券は、旭川店の土地建物を証券化して投資家に販売する不動産証券化する計画だが、信託契約や信託設定を受ける信託銀行とも合意には至っていないという。
実際、テナント交渉は難航しているようで正式に入居すると申し入れているのは数社という状態のようだ。
代理人の橋本弁護士は来年1月までに売却が決まらなければ自己破産を申請する考え。来年以降も持ち続ければ固定資産税が発生するためで、旭川市への無償譲渡という選択も想定しているという。
9月末とされていたタイムリミットは極東側の動きで延びたものの、年末までのスケジュールを考えれば10月いっぱいがぎりぎりのタイミング。この1ヵ月間、代理人と極東証券の駆け引きの結果がどう出るか注目される。

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