クラウドを利用した店舗管理システムで昨年10月に東京プロマーケットに道内企業として初めて上場したイー・カムトゥルー(本社・札幌市中央区)。同社の上田正巳社長が、インディペンデンツ(同・東京都豊島区)が主催した札幌での事業計画発表会でフランチャイズ本部の立上げ支援を新たな事業分野に育成していく考えを示した。(写真は、事業計画を発表する上田正巳社長=6月12日、札幌証券取引所で)
同社は、2000年に上田正巳氏が設立、当時大手全国IT会社の高価なシステムが主流だった店舗管理システムを安価に身の丈に合った投資で揃えられるようにするのが目的だった。
イー・カムトゥルーが開発したのは、クラウドサービスによって店舗の売上げ管理や従業員、アルバイトの勤怠管理ができるシステムで、外食産業が主な得意先。道内では、回転寿司トリトンや花まる、ラーメンの山岡屋、焼き肉の徳寿などで使用されており全国約3500の店舗・事業所と契約しているという。店舗ごとにPOSレジが違っていても一元管理ができる特徴もある。
外食産業以外でも札幌では理美容の芭里絵(バリエ)チェーンの全店売上げ管理、道央圏で7病院を運営する医療法人社団の職員給与計算インフラを提供する事業も行っている。
同社が新たな事業分野として進出するのが、フランチャイズ(FC)本部の立上げ支援。FC本部の立上げから加盟店の獲得まで総合的にコンサルティングを行うもので、既に直営事業に加えてFC事業の展開を始める3つの業態の本部と契約、事業展開を進めていく。
上田社長は、「かつて同様のFCコンサルを事業化していたベンチャーリンクという会社があったが、我々の事業もそれに近い。ただし、少し行儀よく事業を進めていく考えだ」と述べた。
FC加盟店の募集代行まですることによって増えていく店舗で同社の管理システム利用が期待でき、既存事業の拡大に繋げていく考えだ。