家具インテリア、ホームファッションのニトリホールディングス(HD)社長の似鳥昭雄氏(71)が4月1日から30日までの期間、日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」に登場する。この欄は、日経新聞の顔とも言えるコーナーで、著名な経済人や文化人などが自らの半生を語り日経記者がまとめるもので「北海道の経済人としては久々の登場ではないか」(道内経済人)と言われている。(写真は似鳥昭雄社長)
3月中旬に、似鳥氏と関係のある経済人たちの元に1通のハガキが届いた。ニトリHDの広報部が差出人で、そこには似鳥社長が「私の履歴書」に登場することが書かれており、要は読んでくださいというPRだ。ニトリHD広報部は、以前から似鳥社長がこうした媒体に登場する場合や単行本を出版した場合などには関係者にハガキを郵送、告知する方法を取っており、今回も特別という訳ではない。
ただ、「中身が中身なのでびっくり仰天だ」(前出・経済人)。というのも、「私の履歴書」に登場するのは、国内の誰もが認める一流経済人や知識人で、しかも一線をリタイアしてその名声が固まっている人が対象と言われているからだ。
「似鳥社長は、子会社ニトリの社長を代わってもニトリHDの社長は続けており、まだ現役のバリバリ。引退する考えは毛頭ないだろう。日経新聞が似鳥社長を選んだこともそうだが、似鳥社長が了承したことにもビックリだ」(同)
ニトリが本社機能を東京にも作り、似鳥社長が東京駐在になって以降、道内経済界との距離が徐々に出始めている。札幌商工会議所の東京駐在副会頭だが他の副会頭との働きぶりの差は否めない。ニトリHDの主幹事証券である大和証券の札幌支店が毎夏開催していた親睦コンペの会場を、大和証券に変えさせた“引きはがし”も地元関係者の間では「大ニトリのやることなのか?」という声が広がり始めている。
「私の履歴書」に登場することは、経済人の憧れであり功成り名遂げたゴールと言っても良い。早々とゴールに辿りついた似鳥社長が次に向かう先はどこなのだろうか。
※記事一部修正。