総合旅行業のわくわくホリデー(本社・札幌市中央区)は、札幌市民ホール(北1条西1丁目)のネーミングライツ(命名権)を取得した。2015年度から4年間、「わくわくホリデーホール」の愛称が使用できる。命名権売却額は年間1000万円だが、期間中に改修休館が5ヵ月間あるため、その期間を減額、わくわくホリデーが市に払う協賛金総額は2990万円になる。(写真は、愛称名の入った市民ホールのパネルを持つ上田市長=右と東原社長)
市は、公共施設のネーミングライツを公募、命名権売却金を協賛金として市の財源にしている。これまでにさっぽろ芸術と文化の舘(旧北海道厚生年金会館)を「ニトリ文化ホール」、札幌市カーリング場を「どうぎんカーリングスタジアム」、円山動物園の新施設を「わくわくアジアゾーン」の愛称にするなど3施設の命名権を売却した。
今回は、札幌市民ホールの命名権を公募、1回目の2010年9~11月の期間には応募がなかったが14年6~7月に実施した2回目の公募で3社が問い合わせ、最終的にはわくわくホリデー1社が応募し命名権を獲得した。
16日に市役所で行われた協定調印式で上田文雄市長とわくわくホリデーの東原俊郎社長がそれぞれ基本合意書にサイン、記念撮影が行われた。上田市長は、「札幌市民ホールは、テレビ塔や大通公園に近く札幌の1丁目1番地。1500席の大ホールと大小会議室もあって年間40万人の市民に活用されている。民間の知恵で観光面での活用にも期待したい」と語り、東原社長は、「建て替える前の札幌市民ホールには父親に連れられて何度か来たことがある。また市民ホール館長が、私の柔道の師匠という縁もあって様々なことが思い出される。命名権の取得を契機にわくわくホリデーも市民ホールとともに歩んで行きたい」と述べた。
愛称を「わくわくホリデーホール」とするほか、愛称サインを施設の外壁4ヵ所に掲示、大ホールを最大3日間無償で使用できる。また、施設内にある収益施設(約150㎡)を販促スペースや事務所に使用することもできる。協賛金額は年間1000万円(消費税込)だが、初年度の15年度は愛称サインの制作・設置費用として710万円減額するほか16年1~5月は大規模改修が行われるため300万円減額、4年間の協賛金総額は2990万円になる。なお、この額はニトリ文化ホールに次ぐ金額規模。
札幌市民ホールは、市有地に民間企業が施設を建設、市が賃借するリース方式で建てられたもので08年12月にオープン。リース事業者は大和リースで、管理運営の指定管理者も同社が選定されている。なお、リース期間は14年度末までで来年度から施設は市に無償譲渡される。大ホールの稼働率は13年度で58・5%、会議室などを含めた全体の利用率は73・4%になっている。
(写真は、基本合意書にサインする上田市長=右と東原社長)