IMG_9906  優れた起業家を表彰する「EOY(アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー)2014ジャパン」の北海道ブロック大会が17日、札幌市中央区のセンチュリーロイヤルホテルで開かれた。金融関係者や監査法人、ベンチャーキャピタル関係者など約80人が出席、北海道ブロック代表としてハウジングオペレーションアーキテクツの石出和博代表取締役とジーンテクノサイエンスの河南雅成社長の2人を選出した。2人は11月に東京で行われる全国大会に出場する。(写真はEOY北海道ブロック代表に選ばれた石出氏=左から2人目と河南氏=同3人目。左端は上田文雄札幌市長、右端はジョエレン・ゴーグ在札幌米国総領事館首席領事)
 
 EOYは1986年に米国で始まった起業家表彰制度で、現在は全世界60ヵ国、145の都市で開催されている。日本では新日本有限責任監査法人の協力により2001年から東京で始まり北海道ブロック大会は国内9ヵ所目として昨年からスタートした。勝ち抜き制で地区大会代表が東京の全国大会に臨み、日本代表に選ばれるとモナコで開催される世界大会へ出場する権利を得る。
 
 昨年の北海道ブロック代表に選出されたのは、初音ミクで知られるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之代表取締役。チャレンジ精神や財務面、企業戦略などが道内起業家のロールモデルとして高く評価されたが全国大会では優勝できなかった。
 
 今年は、札幌ビズカフェの石井宏和代表理事(Neeth社長)ら審査員9人によって選考され、ハウジングオペレーションアーキテクツの石出氏とジーンテクノサイエンスの河南氏の2人が選ばれた。昨年、代表になった伊藤氏からトロフィーが手渡され後、2人の受賞スピーチが行われた。
 
 ハウジングオペレーションアーキテクツは道産材を利用した家づくりを通して天然材の保護と建築資材の自給自足の取り組みをしている企業で、1997年に石出氏が創業。「道産材の良さが見直されるまでは創業から18年かかったが、今では生産が追い付かない状況。営業マンを置かず口コミだけで家づくりをしているが、年間60棟、平均単価9000万円、大工50人で対応、グループ年商は50億円になっている」と述べ、「本州はスギとヒノキしか木材はないが道内にはトドマツ、ナラ、セン、シナ、タモの木がある。本州でもこうした道産材の家が人気で当社に商機がある」とした。
 
 ジーンテクノサイエンスは、北大初の創薬ベンチャーで2001年に設立。河南社長は商社勤務時代に医薬品製造会社に出向した後、バイオ企業に経営参画して株式上場を経験、その後2003年に同社社長に就任した。同社は12年に東証マザーズに上場、13年には国内第一号としてバイオ後続医薬品の販売を実現している。
 
 河南社長は、「日本の医薬品市場は輸入超過だが、その多くは高価なバイオ医薬品で占められている。バイオ医薬品市場は急速に伸びているが世界に後れを取っている分野。当社は07年からバイオ後続品の研究をスタート、13年5月からバイオ後続品の1つの販売を始め順調に売り上げを伸ばしている。次のバイオ後続品の仕込みをしており、日本の発酵技術を活かしたバイオ医薬品で世界へ発信していきたい」と語った。


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