起業支援のビジネスバンクグループ(本社・東京都港区)が社長の学校として札幌で開講している「プレジデントアカデミー札幌」の特別講演会が12日、かでる2・7で開催され土屋ホールディングス会長の土屋公三氏(73)が『土屋ホーム流・永続経営の極意』をテーマに講演した。市内の若手・中堅経営者ら約50人が参加した。(写真は、プレジデントアカデミー札幌の特別講演会で話す土屋公三氏)
土屋氏は冒頭、企業の生存率について説明。「かつては新規創業した企業のうち10年で8割が“死亡”していたが、最近はもっと厳しくて9割が死亡=倒産している。企業30年説というのもあるが、30年残っている企業は5%と言われていたのが最近のデータでは0・025%とも言われている。企業は競争という戦いの連続の中にある」と認識を示した。
企業にとっての顧客継続率について話が及ぶと、土屋氏は「平均的な企業は顧客継続率が8~9割あるだろう。それが経営安定度というものだ。しかし、土屋ホームは戸建て住宅販売のため顧客継続率はゼロ。つまり経営危険度は100%あるということ」と語り、その中で経営を継続していくための一端として『経営のコマ(独楽)理論』を紹介した。
土屋氏が考え、実践してきたこの理論は、経営を変えていかなければならない『流行』と変えてはいけない『不易』に分け、芯棒に当たる不易の部分に企業の経営哲学、使命感、経営方針を置き、芯棒がフラツキ出したら企業はおかしくなると他社の例を交えて示した。
さらに企業は目的のために人材教育を繰り返し徹底することが必要だとし、「私も自分に本を読むことを課しており、今年1月から今日までに86冊を読んだ。また、自分で車を運転して会社に出てくる時や帰る時には車内で1日2時間ほど古典や仏教などあらゆるジャンルのCDを聞いている。週4日出社して1ヵ月20人のCDを聞く。私の場合は、人の話を聞くのが趣味だし仕事だと思っている」と韜晦を含みながらも繰り返しの鍛錬の大切さを強調していた。