コープさっぽろ(本部・札幌市西区)の関連会社、コープトラベル(本社・同市白石区)は、札幌国際大学(同市清田区)の学生と共同で、余市郡仁木町での収穫ボランティア日帰りツアー3コースを企画、2024年8月7日から参加申し込みを開始した。昨年に続く2回目で、今回からツアー造成に札幌新陽高校(同市南区)の生徒も加わり、学生目線による体験がより多く盛り込まれた、収穫ボランティアツアーになっている。(写真は、コープトラベル、札幌国際大学学生、札幌新陽高校生徒たちによる「収穫ボランティア日帰りツアーin仁木」プレゼン発表会)
この取り組みは、実践的な観光人材の育成を目的に、2023年3月、コープさっぽろと札幌国際大学が締結した包括連携協定に基づくもの。昨年は、コープトラベルと札幌国際大学の学生によるツアー造成だったが、学生たちが実際に仁木町のワイナリーで畑の手入れやワインづくりを経験したうえで、ぶどうの収穫ボランティアツアーに結び付け、2ツアーを造成、33人が参加した。
学生たちが考案したこのツアーは、関西国際大学や札幌国際大学など、国際大学間未来ネットワーク主催の観光ビジネスアイデアコンテストで最優秀賞を受賞した。札幌国際大学観光学部観光ビジネス学科の田中洋一郎教授は「学生には、こうした経験が観光業界に進む大きなきっかけになる」と話している。
共同企画第2弾となる今回は、コープさっぽろが2019年9月に業務提携した、札幌新陽高校の生徒のうち、観光に興味がある2年生と3年生13人も参加して、企画した。昨年同様、仁木町での畑の手入れ、ビンヤード管理を通じたワインづくりのこだわりなどを学んだうえで企画を考案。6案の内3案を選び、ツアー商品にブラッシュアップした。
2024年9月15日(日)催行の「トマト収穫ボランティアとぶどう狩り~フードロスについて考える旅」は、大人と子どもが参加できるツアー。仁木町内のトマト生産農家でトマトの収穫手伝い体験を行い、「NIKIYA FARM&BREWERY」でクラフトビールとバーベキューを楽しみ、子どもは、規格外野菜を使ったフォカッチャトッピングが楽しめる。食後のデザートは、規格外フルーツを使ったブルーベリーマフィンを子どもたちと一緒に作り、マフィンを焼いている間に子どもたちは「NIKIYA FARM&BREWERY」の畑の中でのフードロスクイズでお宝を探すゲームに参加できる。大人1人9800円、子ども(3歳~小学生)1人6000円。
同年9月21日(土)催行の「シャインマカスカット収穫のお手伝い!採れたてブドウでオリジナルパフェづくり」は、
「NIKIYA Farm&Brewery」でシャインマスカットの収穫とぶどう畑でのボンティア作業を行い、収穫後に「NIKIYA」のオリジナルクラフトビールとバーベキューランチ、採れたてシャインマスカットを使ったオリジナルパフェ作りが楽しめる。また、規格外の乾燥野菜フルーツを使ったクラフト雑貨作りもある。大人1人9800円。
同年10月5日(土)催行の「ぶどう収穫ボランティアとご褒美ワインの旅」は、ダンス・セラピー専門家によるネイチャーストレッチで体を動かした後に、学生と一緒にワイナリー「ドメーヌ ブレス」でブドウ収穫ボランティアを行い、作業の後にワインとオーガニックのおつまみを楽しむ。収穫は午前と午後の2回。大人1人8800円。
学生や生徒が、実際の旅行商品の造成に取り組む例は、全国的に珍しい。コープトラベルの白川一城代表取締役は、「学生、生徒の発想は、私たちのビジネス目線で考えられない新鮮さがある。彼らにとってもこの体験は大きく、旅行業界を目指すきっかけになっている。実際に旅行会社の就職面接で、ツアーを企画した体験が評価されたケースは多いようだ」と、観光人材育成に繋がっていることに手ごたえを感じている様子だった。