「北海道にはセコマ愛がある。北海道最大規模の部屋数を持つホテルグループとして、そのお仲間に入れていただき、道民の方々に親近感を持ってほしい」ーーそう強調したのは、星野リゾート(本社・長野県北佐久郡軽井沢町)の星野佳路代表。12月14日、札幌市内で開かれたセコマ(同・札幌市中央区)との共同プレス発表。星野代表は、セコマの地域を深堀りするマーケティングを賞讃、自ら丸谷智保会長に声を掛け、連携に至った背景を語った。(写真は、星野リゾートとセコマの「旅々貯まる北海道プロジェクト」を発表する星野佳路代表=左と丸谷智保会長)

 連携の中身は、540万人のセイコーマートクラブ会員を対象に、星野リゾートの道内12施設(2022年2月1日以降)で最大30%引きの宿泊プランを用意するほか、トマムのプールや雲海テラス、スキー場リフト券の日帰り優待として20%を割り引くという展開。いずれも、利用額の2%をセイコーマートの電子マネー「ペコマ」に還元する。

 星野代表が、こうした連携(「旅々貯まる北海道プロジェクト」)を想起したきっかけは、道民のセコマ愛だった。「私は冬に北海道でスキーをよくするが、道内の仲間たちは、必ずセイコーマートを利用する。近くに全国コンビニがあっても、わざわざ遠回りしてセイコーマートに足を運ぶ。なぜなんだろうと研究して分かった。セイコーマートは大手にはできない地域の深掘りマーケティングを徹底、北海道の市場に深く刺さっているからだ」

 星野リゾートは、2004年にトマムリゾートの運営をきっかけに北海道に進出。これまでは道内でそれほどの存在感を示していなかったが、2016年に旭川グランドホテル(現OMO7旭川)を承継したほか、今年夏には、道内に足場があったWBFリゾートをグループ化、今や部屋数は2100室を超え、道内最大のホテルグループをうかがうようになった。その星野リゾートが、コロナ禍で打ち出しているのが、マイクロツーリズム(地元の人が近場で過ごす旅のスタイル)。地域に特化するには、地域に特化している企業と組むのがベストーーそうした中でセコマとの連携が決まった。

 丸谷会長は、「星野リゾートは観光、ビジネス両面で北海道全体をカバーしている。今回の共同事業がコロナ後の北海道の経済、観光、ビジネスの活性化に繋がると期待している。足元から元気を取り戻すきっかけにしたい」と話す。

 星野リゾートは、2022年1月7日に「OMO5小樽」(小樽市)、同月14日に「界ポロト」(白老郡白老町)、同月28日に「OMO3札幌すすきの」(札幌市中央区)をオープンさせる。更に数年内に数施設の運営を始める予定で、2500室規模の道内最大ホテル運営会社になる。セコマと星野リゾートの連携は、コロナ禍経済の中から必然的に生まれてきた異色の組み合わせと言えそう。視線はいずれも地域、SDGsを通奏低音に、今後は両社の新たな共同事業も出てきそうだ。



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