不動産価値向上やJーRIET運用などに取り組んでいるいちご(本社・東京都千代田)は8月1日(土)、札幌市中央区南3条西3丁目16ー2にライフスタイルホテル「ザ ノット札幌」をオープンさせる。当初は4月オープンを目指していたが、コロナ禍による資材調達の遅れなどから開業を延期していた。コロナ問題が深刻化して以降、札幌では初のホテルオープンとなる。(写真は、『ザ ノット札幌』をバックに手を寄せる関係者。左から和食ミシュランスターシェフ三枝展正氏、セコマ・丸谷智保会長、いちご・石原実副社長、千秋庵製菓・庭山修子社長、ABアコモ・阿部裕二社長)

 立地場所は、千秋庵製菓(本社・札幌市中央区)創業地の旧「札幌本店」跡地で、いちごと千秋庵製菓が共同でホテル建設に取り組んだ。敷地面積約184坪(609・29㎡)を使って鉄骨造一部鉄筋コンクリート造の地下1階、地上13階建てで、延べ床面積は約1571坪(5184・46㎡)、客室数は140室。設計、施工は岩田地崎建設(本社・札幌市中央区)、設計協力は久米設計(本社・東京都江東区)。

 いちごが展開する「ザ ノット」は、2017年12月に横浜で1棟目をオープンさせ18年には新宿で2棟目を開業、今回20年8月に札幌と広島市で同時開業する。各地の歴史や文化を外観や内装のモチーフに取り入れ、調度品やBGMなどにも地域独自のエッセンスを付加した「ライフスタイルホテル」で、観光客や地元客が地域を体感できるのが特徴。

「ザ ノット札幌」は、「大自然の大都会で」をテーマにしており、2階フロントには道南杉や札幌軟石を使用、外壁の一部には江別産レンガタイルを使用。1階の千秋庵製菓「札幌本店」は4月24日に先行してオープン、同じ1階にはセコマ(本社・札幌市中央区)の「セイコーマート ザ ノット札幌店」が入り、ホテルと同じ8月1日にオープンする。また、2階レストラン「レ・ボア」は、ミシュランガイド一ツ星獲得の「日本料理みえ田」シェフの三枝展正氏が監修する料理やスイーツを提供する。

 30日に行われた内覧会でいちごの石原実副社長・COOは、「千秋庵製菓の由緒ある歴史を承継するのにふさわしい建物を(千秋庵製菓との)共同事業で建設できた。洗練されたカルチャーを発信する場としてお客さまを迎えたい」と話した。また、運営を担うABアコモ(本社・東京都千代田区)の阿部裕二社長は、「私は道産子で、東京勤務が長いが住民票は未だに札幌にあって故郷への思いは強い。コロナでインバウンドが蒸発、自粛で国民の動きも止まった。ホテル運営は大変だが、前だけを見てできることをするしかない。『ザ ノット札幌』で北海道の力を全国に発信したい。札幌で一番、北海道で一番、日本で一番の施設になるようにしたい」と挨拶した。



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