ーー来年の雪まつりでの震災の復興支援事業の企画も検討されているようですね。
柴田 さっぽろ雪まつりは、終戦直後から始まり2019年で70周年を迎えます。震災があったので、当然そこをしっかり対応して『元気です、北海道』、『元気です、札幌』に繋がっていくようにしたい。前後しますが、11月22日から始まったさっぽろホワイトイルミネーションとミュンヘンクリスマス市は、合体して統合運営するようにしました。しっかりと実行することによって『元気ですよ』の復興支援に繋がっていきます。
札幌は、全国の他の観光地から見ると特殊ではないかと見ています。一つは元々が大商業都市で、行政も集積したビジネスの街でもある。そして観光都市の顔も持っています。いってみれば様々な機能を集約したコンパクトシティー、私は巨大なコンパクトシティーと言っています。つまり機能が集積していて、なおかつそこには観光の魅力が非常にたくさんある。先ほど全道という広い地域におけるショーウインドウと言いましたが、やり方によってはまだまだ魅力というか、磨き上げができると確信しています。
MICEの誘致を行っていますが、札幌にMICEで来た人が、『今回は仕事で来たけど、次は観光で来よう』と形を変えたリピーター需要を取り込める街が、札幌だと思います。バリエーションというか、非常に多様性があると考えています。
ーー2019年はワールドカップラグビーも札幌で開催されます。観光にとってステップアップするきっかけになりますね。
柴田 それらをいかに生かしていくかということだと思う。各地との連携も必要で、札幌がしっかり対応することによって多くの人が周遊できるような体制を取ることが必要になってきます。
ーー『連携』が大事だということですが、具体的な動きはありますか。
柴田 小樽市観光協会とは連携協定を結んでいて、小樽雪あかりの路とさっぽろ雪まつりは連携しながら、共同プロモーションも行っていきます。私が観光大使を拝命している函館市と北海道新幹線ルートの連携を図っていくことも可能です。函館市が起点になる北海道ドラマチックロードというものもあります。函館から登別を通って札幌に至るルートのことを呼ぶそうですが、このドラマチックロードを盛り上げるために函館、登別、札幌の各観光協会の連携も必要になってくるでしょう。いずれにしても各拠点の協会と連携することによって、北海道全体の中で役割分担ができるようになれば実務的な工夫もでき、共同プロモーションも効率的にできるようになるのではないでしょうか。
ーー北海道観光振興機構との連携も今まで以上に強化していかないといけませんね。
柴田 そうですね、DMO・DMC(地域と共同して観光地域づくり行う法人)につながっていく可能性がありますから、しっかり連携を取りながら進めていきたい。国は、2020年のインバウンド目標を4000万人としており、北海道の目標は500万人です。しかし、まだインフラはそこまで対応できるようになっていない。交通アクセスも含めてハード、ソフト両面で対応していくことになると思います。
そのためにも先程言った各観光協会との連携が避けて通れない。観光には様々な要素があります。産業間の連携と先程言った地域間の連携が、これからますます大切になるでしょう。
ーー目標に向けた統合的な戦略が欠かせませんね。
柴田 まさにそれが必要です。それがないとバラバラになってしまい非効率でうまくいかない。微力ながらその道筋をつけていければ良いかなと思っています。
ーー本日はありがとうございました。