ーーナイトエコノミーというのは、ススキノを含めてということになりますか。
柴田 私もまだ勉強不足なのではっきりと言えませんが、ススキノはいわゆる歓楽街ですが国内客とインバウンドの間では歓楽街に対するイメージが違うようです。ススキノでもインバウンドは歩いていますが、店に入ってあまりお酒は飲まないようです。そういう意味では、バル街のようなものが常設できると良いのかもしれません。札幌バル街のようなナイトエコノミー施設をまちづくりと一体となって考えていければと思います。
ーー羊ヶ丘展望台は1991年に90万人の来客があったのですね。
柴田 バブル崩壊後には30万人台に落ちて、今は40万人台になりました。過去最高だった90年代は海外の方がほとんど来ていないですから、今はとてもチャンスがあると思います。90万人と言わず、100万人にするくらいの目標を持ちたい。
ーー展望台周辺の施設整備も必要ではないでしょうか。
柴田 そうですね。まず札幌市民にどんどん来てもらえるようにしたいと思っています。よく私は言っていますが、地域に支持されない観光はダメだということです。やはり共存というか、観光客ばかりではなく、地域の人たちも一緒に楽しめて支持されるようなエリアにならなければいけない。羊ヶ丘展望台はまさにその要素を持っています。冬は歩くスキーもやっていますし、あのクラーク像も観光スポットとして非常に秀でていると思います。羊ヶ丘展望台は可能性を秘めた貴重な観光資源と言えるでしょう。
札幌が新3大夜景に引き続き選ばれましたが、羊ヶ丘展望台からの夜景を観光資源化できないか興味を持っています。函館には函館山から見る夜景とともに、地元の人たちが推奨する裏夜景があります。私は函館出身で良く知っていますが、裏夜景にも魅力があります。羊ケ丘展望台からの夜景も、ロケーションが良ければ売りになるかもしれません。夕方から夜景を見ながらジンギスカンを食べる観光も良いのでは。
ーー札幌観光の課題についてお聞きします。QRコード決済などキャッシュレス化などいろいろあります。
柴田 キャッシュレス化が一番の象徴ですが、いわゆるインフラ、受け入れ体制の整備が急務だと思います。言語対応もその一つ。具体的な部分でいうと、キャッシュレス化をいかにしっかりとニーズにあった形で進めていくかが大切。札観協では、雪まつりやビアガーデンの夏祭り、オータムフェストなどで電子マネーを導入しており、かなりの手ごたえがあります。特に海外の方のニーズが高い。これはスピードアップして定着させていきたい。
ーー多言語対応についてはどうですか。
柴田 人材育成も含めて。官民一体となってやっていくべきです。行政や観光関連団体も一体となってやればパワーが出ると思う。大学との連携も非常に重要。北海道大学や私立大学にも観光関連の学部がありますから、連携を図りながら役割分担しつつ観光振興に繋がることを実施していくことが求められます。一度にできることではないと思いますが、方向性をまず示し、その中から一つずつプランニングしながらやっていきたいですね。