今年1月に自主再建型の再生計画案が可決された廣済堂札幌カントリー倶楽部だが、新スポンサーにたかを観光(現札幌カントリー倶楽部)の元オーナー、高橋幸雄氏の名前が燻っている。高橋氏はたかを観光やダイエー店舗を所有するたかをビル開発の元オーナーで、現在は真駒内滝野霊園を運営する「ふる里公苑」のオーナー。
 
 廣済堂札幌カントリー倶楽部は、昨年5月に東京地裁に民事再生法の適用を申請して事実上破綻。同CCは、2009年11月に所有運営していた廣済堂からゴルフ場再生を専門にするケイ・アンド・ケイに全株式が譲渡されており、民事再生の申請はケイ・アンド・ケイが行っている。預託金などの負債総額は80億円。
 
 その後、廣済堂札幌CC(36ホール)と隣接する廣済堂トムソンカントリー倶楽部(18ホール)を共通会員にする救済策などが提示され、今年1月には自主再建型の再生計画案が会員の賛成多数で可決、東京地裁が再生計画を認可決定している。預託金カット率は退会会員が95%、継続会員は93%。
 
 自主再建型と言っても、ゴルフ入場者の減少が続いている現状では、経営を支援するスポンサーがいなければ存続は一筋縄でいかない。
 
 そこで浮上しているのが、高橋幸雄氏らのグループ。「コースの手直し工事を高橋氏のグループ会社が行っている」という情報もあり、会員らの関心が高まっている。一方で、「ケイ・アント・ケイがコースの設計変更に取り組み始めた」という声もあって、高橋氏が乗り出すのかどうか情報は錯綜している。
 
 高橋氏は、旧たかを観光が破綻し和議、民事再生へと進む過程で元オーナーとして経営の実権を取り戻す意欲を見せたが、会員や金融債権者の北陸銀行が拒絶、復帰は実現しなかった。しかし、高橋氏は旧たかを観光の経営権取得を諦めていないとされ、廣済堂札幌CCを糸口に本丸の旧たかをへ攻め込むのではないかという見方も出ている。


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