一般社団法人北海道ファシリティマネジメント協会(HFMA)FM導入推進委員会が15日、市立札幌病院を視察した。同病院は図面書類管理やCO2排出管理、施設管理などにファシリティマネジメント(FM)の手法を導入しており、道内の公共施設では先進的な取り組みを行っている。病院側担当者が同委員会の一行18人にFM導入の成果や今後の方針について説明した。(写真は、市立札幌病院の担当者から説明を聞くFM導入委員会のメンバー)
 
 市立札幌病院は竣工図や設計図、修繕図のほか各種の平面図、工事履歴などをサーバーで管理し情報の共有化を図っている。また、CO2排出管理のため2005年から10年計画でESCO事業に取り組み、院内環境を損なわずにエネルギー削減、CO2削減を実施、NEDO省エネルギーセンター長賞や北海道経済産業局長賞を受賞した実績もある。
 
 さらに、設備管理や施設警備、清掃、光熱水費の建物運営管理を10年度から一元化して一般競争入札で発注(期間は4年ごと)、維持管理業者と設備設計事務所のJV受注でこれらにかかるコストを2割、約7000万円削減した成果も報告された。
 
 一元管理のために施設管理支援システム「CAFM」を導入、今後はエネルギー管理や施設劣化情報をリンクさせていくことも予定していると説明した。
 
 視察した同委員会のメンバーからは、「施設管理でのFM導入を病院で働く職員はどう評価しているか」などソフト面での効果についての質問もあった。
 
 市立札幌病院は市の施設としてはFM導入に早くから取り組み、成果を上げている。市の多くの公共施設は高度成長期に建設され老朽化や更新時期を迎えているが、竣工時の設計図、修繕図などは統一して管理されていないのが現状。市立病院をモデルにしたFM導入が他の公共施設でも求められる。


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