一般社団法人北海道ファシリティマネジメント協会(札幌市中央区、略称・HFMA)は3日、札幌市北区の札幌サンプラザで「2016年新春講演会」を開催した。HFMA会員(181社)や札幌市、道庁、道開発局、道経済産業局などから約350人が出席、講演会後には賀詞交流会も行われ秋元克広札幌市長や山谷吉宏道副知事らも参加した。(写真は、挨拶する星野尚夫HFMA会長)
講演会の冒頭、HFMAの星野尚夫会長が、「札幌市は今後30年間の都心まちづくり計画を策定しており、既存のビルなどの改造・改築、建て替え新築が始まり、今年はまさに札幌が変わる元年になるだろう。人口減少、少子高齢化の中で、まちづくりにはファシリティマネジメント(FM)が欠かせない視点になっている。FMは今、最大のチャンスを迎えたと言っても良い」と挨拶した。
その後、道開発局の本田幸一局長が『北海道の将来ビジョン』をテーマに講演。本田局長は新たな北海道総合開発計画について報告、「食と観光を戦略分野として50年先を見据えた次の10年間に向けて産学官民金連携によるプラットフォームを形成、新しい取り組みを誘導しながら北海道、日本の課題解決に繋がるように進めていきたい」と述べた。新たな北海道の総合開発計画は3月に閣議決定される見通し。
続いて、公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(東京都中央区、略称JFMA)調査研究委員会委員長で日本郵政不動産企画部の似内(にたない)志朗部長が『まちを元気にするFM事例』と題して講演。似内部長は、2026年冬季五輪・パラリンピック招致を目指す札幌市に触れ、「長期的なまちづくりの中でオリンピックのようなイベントはまちづくりのひとつの手段。1972年の札幌オリンピックの時に高齢化率は5%だったが、2026年には31%になるので、求められるのはコンパクト&ユニバーサルの視点。魅力的なリノベーションと建設経費の抑制はFMの見地から重要」と語った。
講演会後に行われた賀詞交流会に出席した秋元市長は、「今後、公共施設の更新が必要になってくるが適切なマネジメントをして計画的に進めていく。大量更新を乗り切って行くためにはFMの視点が欠かせない」と挨拶した。HFMAには、昨年新入会員として22社が加入。また、「札幌冬季五輪FM検討委員会」を設けるなど建物・施設の長期的視点に立ったマネジメント手法の普及啓発、交流組織として積極的に活動している。
(写真は上から本田幸一道開発局長、似内志朗日本郵政不動産企画部部長、秋元克広札幌市長)