北洋銀、道庁の6月人事を占う~ドラマの裏側から見える真実~

人物・人事

 年度末を迎えて人事の季節に入ってきた。去る人、残る人、新しくポストに付く人など、この季節はそれぞれにドラマが生まれる。北洋銀行と道庁に絞って見てみよう。人事ドラマの裏側には、表に出てこない真実が顔を覗かせている。


 真実の顔を覗く旅に出よう。
 道内のリーディングバンク北洋銀行。副会長で札幌銀行頭取を務めた吉野次郎氏(67)は退任見通し。吉野氏は札銀のプロパーとして2代目の頭取で、北洋銀との経営統合を経て合併へと駒を進めた。
 退任後の転出先は、旧札銀の関連会社と見られている。吉野氏は社団法人札幌ゴルフ倶楽部の理事長を務めているが、これは代々札銀頭取OBが務める名誉職ポスト。吉野氏が北洋銀副会長退任後も継続して理事長を務めるかどうかは流動的。
 旧拓銀出身で常務執行役員の青山俊彦氏(63)は、北洋銀が旧拓銀の営業譲受した際に旧拓トップ3人のうちの1人として旧拓出身者たちの心の支えとなった。
一度は北洋銀を去ったものの、中小企業向け融資拡大のために呼び戻されていたが、6月に退任が濃厚。
 旧拓の役員だった白髪良一氏が社長を務める日本清酒の次期社長含みで同社入りが噂されているが、青山氏本人は健康上の問題を抱えているために白紙になる可能性もある。
 北洋銀常務から賞味期限の改ざんなどで窮地になった石屋製菓社長に就いている島田俊平氏(62)は、4年目を迎えて退任説も出ていたが、後2年間社長として石屋製菓の経営を舵取りすることになった。
 道庁は、今年が知事選挙の年に当たるため幹部級人事は5月末ころに行われる。既に農政部長の東修二氏(59)は、北海道農業信用基金協会会長へ転出が確実で後任は現在十勝総合振興局長の竹林孝氏。
 特別職人事では、多田健一郎氏の去就次第で後任人事が動きそう。総務省出身の多田氏は昨年総務部長から副知事に昇格したばかりだが、副知事になったことで総務省への戻る際のランクが上がったためタイミングとして今年6月が最適と見られている。
 多田氏が中央に戻れば、現在総合政策部長の成田一憲氏の副知事就任は既定路線。多田氏留任になっても、成田氏は公営企業管理者など特別職への就任はほぼ間違いないようだ。
 成田氏の次の総合政策部長には、知事室長の荒川裕生氏が就くと見られている。

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