道内の若手経営者に挑戦する文化を身に付けてもらうことを目的とした北海道経営未来塾「第二章frontier community」の第1回特別講座が、2026年6月22日、札幌市中央区のニューオータニイン札幌で開催された。11期の塾生30人が揃う中、アインホールディングス(本社・札幌市白石区)の大谷喜一社長が、「成長への挑戦―M&Aの活用―」と題して基調講演を行った。
(写真は、北海道経営未来塾で講演するアインHD・大谷喜一社長)
官民で組織する北海道経営未来塾実行委員会の主催によるもので、最初に実行委員長・塾長の長内順一氏(未来経営研究所社長)が登壇。長内氏は、「この塾は人を育てるのが目的ではなく、挑戦する経営者の文化をつくることが目的。答えは求めるものではなくつくるもの。そのためには判断力を磨き、失敗することが必要だ。人生はチャレンジかエスケープかの二択しかない。北の大地にチャレンジする経営者の文化をつくろう」と塾生たちを鼓舞した。
続いて登壇した大谷氏は、冒頭、北海高校から日大理工学部薬学科に入学した当時を振り返り、新入生になったばかりの最初の講義で、ある教授が『人生は邂逅である』と話したことに触れた。「当時は、それを聞いても何のことか分からなかったが、まもなく75歳になる今になって、その意味をしみじみと感じる。ある時からその言葉が人生のバックボーンになった」と述べ、「事業を大きくしたかったから『人生は邂逅である』という言葉を指針にした方がよい」と語った。
続いて、調剤薬局事業はM&Aで成長してきたことを披歴、「現在、当社グループの調剤薬局は約2160店舗あるが、そのうちの7割は買収したものだ。病院の前など一番良い場所に出店した調剤薬局が勝つため、自前出店が難しければM&Aが門前薬局競争に勝つ条件。拓銀破綻で苦労したが、キャッシュは持っていたのでスピーディーにM&Aができた」と話した。2002年11月の茨城県の今川薬局から現在までに279社をM&A、そのうち7社が売り上げ規模100億円の調剤薬局だった。
「M&Aで苦しかったのは、宮城県の葵調剤のケース。10億円の減損をしなければならず、少し急ぎ過ぎたと反省している。それ以外はうまくいった。自分が分かる事業以外はM&Aをしていない。M&Aは、本業か、それに近い事業を強化するために行うもので、多角化のためにするものではない」と述べた。最後に、「多少危うさがあっても、乗り込んでいって建て直しができる企業でなければM&Aをしてはいけない。コツコツ積み上げることも大切だが、一気に成長させるにはM&Aが必要で、そのためには上場していた方が有利だ」と挑戦の気概を説いていた。
※2026年6月22日記事一部修正しました。M&Aを行った社数は279社でした。


































