アークス・横山清会長CEOインタビュー②「トライアルとロピア」「ダイイチとラッキー」

流通

 2025年の北海道流通業界は、イオン北海道の西友承継、ロピアの北海道展開が、本格的に始まった年だった。GMS(総合スーパー)の一極化とSM(スーパーマーケット)とDS(ディスカウントストア)の対立構造が鮮明化した1年だった。明けて、2026年の北海道流通業界は、どんな変化を迎え、どの方向に進んでいくのか。リアルエコノミー新年恒例のアークス・横山清会長CEO(90)のインタビューの2回目は、トライアル、ロピアなどの向き合い方と北雄ラッキー、ダイイチの株式を個人で所有している理由などを聞いた。(写真は、インタビューに応じるアークス・横山清会長CEO)

◎第2次流通革新の新興勢力と、どう向き合う

 第2次流通革新で新興勢力と位置付けられるのが、トライアル、業務スーパー、ロピアといった価格訴求型のスーパーだ。私の体感として、オーソドックスに運営しているところは、持続するだろう。トライアルは、新しい参入者だったが、時間をかけて出店を増やしてきた。そうして、足らざるを補いながら、上場した。上場したということは、さまざまな問題点を克服して、上場基準をクリアしたことになり、いうなればオーソドックスな形になったということだ。しかも、北海道という人口減少地域で、ヒト、モノの移動も高くつく典型の地域で、オーソドックスな形をつくったと言えるだろう。

 ロピアは、大手がかつて運営していた、大型店を使って参入してきたディスカウンターだ。以前のトライアルもそうだったが、似たような手法は、かつてもあった。典型的なのが、カウボーイだ。カウボーイとロピアは似ていると感じる。売り上げを拡大させていくことに対して、特別に価格を安くできる要素があまりないのでは、ということだ。カウボーイもロピアも、創業者は、精肉業という点も似ている。ロピアは、世紀を超えてカウボーイと似たようなことをしている。

 現実問題として一番言えることは、安くものを売るということは、コスト競争に他ならないということ。コストを下げていかないと、安く売ることはできない。半面、売る値段は、自分でつけられるが……。安く売ってお客を集め、儲かる規模までもっていこうということだろう。

 ロピアは、全国の端から端まで店舗展開している。上場していないので、中身は分からないが、ヒト、モノ、カネは現状では十分ではないにしても、十二分にできた状況を想定して今、出店しているということだろう。そういう面では、私は、非常にリスクのある商売をしていると感じる。ロピアが、今度出店する札幌市内の店舗は、私たちにも出店の打診があった。ただ、家賃の問題で見送った。あの場所で、今のやり方で採算が合う体質を持っているとすれば、大したものだと思う。

 いずれにしても、私たちは、コスト競争でコストを下げるためのあらゆるオーソドックスな手を打ちながら、生き延びてきた。かつての大手のように、圧倒的に大きな店舗をつくって、小さなスーパーを蹴散らすということもしないで生き残ってきた。間違っていなかったという思いを、多少なりとも抱いている。

◎個人で北雄ラッキー、ダイイチの株を所有する理由

 私は、個人で北雄ラッキーとダイイチの株を持っている。いろいろと言われるが、両社の買収などを狙っているのであれば、個人で持つことはしない。北雄ラッキーの株は、たまたま大株主が、大手に売るということを知って、私個人に売ってもらっただけ。それ以降、少し買い増しただけで、ほとんど持ち株は変わっていない。

 ダイイチの株は、大手に30%を持たれて、流通再編の流れで身動きできないため、自由度のプラスになればと、数百株単位で地道に買っているだけ。まとめて、数千株を買うようなことは、一切していない。地道に買い始めて2年半の間に、7番目の個人株主になった。ダイイチ側には、個人の投資で気にしないでほしいと言っている。大株主であるイトーヨーカ堂の動向が分からない中で、例えばロピアに売るとか、高く株を買うところに売るようなことになれば、私個人ではできないけれども、対応する体制はできている。

 私もこの年で、株で儲けようという気は全くないが、個人的には、コントロールが効かないような変なところには売ってほしくないと思っている。でも、ダイイチ側には、そういう権限はない。全てヨーカ堂の方にあるわけでしょ。もっともヨーカ堂さえも自由にならない状況にある。仮に、何か事態が起きた時、その受け皿が北海道のことをよく知っているところでなければ、それこそ第1次流通革命の後のような状況になりかねない。大手はみんな地域密着型と言うけれど、最終的にそうでないことは、この数年の流れを見ても分かると思う。

 北雄ラッキーは、共同仕入れ会社、北海道CGCの仲間で一緒にやっている。誰か他と組むとなったら、一般論で言っても反発する株主は多いだろう。八ヶ岳連峰経営というのは、形を変えたCGCの仕事と同じだ。(以下、続く)

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