北海道CGCグループが創業45周年記念式典を開催、横山清社長「人口が半分になろうとも地域密着を追求する」

流通

 全国の中堅スーパーマーケットの共同仕入れ機構で、プライベートブランド(PB)商品の開発も手掛けている、CGCグループの地方組織である北海道CGCグループは2025年9月25日、札幌市中央区の札幌パークホテルで「創業45周年記念式典・祝賀会」を開催した。会場には、加盟企業やメーカー、卸など約400人が参加、これまでの歩みを振り返るとともに今後も協業をさらに推進して、北海道の食を支える決意を新たにした。(写真は、北海道シジシー・横山清社長=中央前とシジシージャパン・堀内淳弘代表取締役=中央後ろを囲む北海道CGCグループの代表者)

 CGCとは、Co-operative(共同)、Grocers(食料・雑貨)、Chain(連鎖店)の頭文字を取った名称。北海道CGCグループは、大手スーパーの進出に対抗して、1980年に道内スーパーが出資して設立した北海道シジシー(本部・札幌市豊平区)をベースに展開している。現在は、ラルズ、福原、北雄ラッキー、ホクノー、道北アークス、道東アークス、道南ラルズ、東光ストア、豊月の9社265店舗が加盟、2025年2月期の年商は1469億円。

(写真は、挨拶をする北海道シジシー・横山清社長)

 記念式典・祝賀会では、冒頭に北海道シジシーの横山清社長(アークス会長CEO)が登壇。横山氏は、「下痢をして3日前まで3週間入院していたので4㎏痩せた。全部調べてもらったが、大きな病気にはなっていないことが分かった」と前置きした上で、「90歳になったので人生の半分、45年を北海道CGCと共に過ごしてきた。ひとえに皆さんのご協力のおかげだ。20年前から、激しい変化の時代なので5年ごとにこうした式典を開くことにしたが、この5年間を見てもイオンを除いて大手はほとんどいなくなった。もちろん、我々の仲間も随分いなくなったが、しっかり耐え抜いてきた仲間もおり、これからもやっていけるだろう。1社でできないことはしっかりと手を結んで、2社、3社でやっていく協業がCGCグループの肝。身体は違うが、心は一緒、つまり異体同心。今、ディスカウンターが来てがんがんやっているが、各社が対策を練って影響は出ていない。今後、北海道の人口が半分になろうとも、官民合わせて地域密着型を追求していくので、今後ともよろしくお願いしたい」と挨拶した。

(写真は、横山社長からシジシージャパン・堀内淳弘代表取締役への感謝状贈呈式)

 その後、シジシージャパン・堀内淳弘代表取締役CGCグループ代表に、横山社長から感謝状が贈呈された。来賓の祝辞は、経済産業省北海道経済産業局浦田英之局長、北海道三橋剛副知事、札幌市秋元克広市長、北海道大学寳金清博総長が、それぞれ行った。続いて、45周年の記念寄付として、北海道へ「ゼロカーボン北海道推進基金」、札幌市へ「CGC子ども基金子育て支援」、北海道大学へ「北大フロンティア基金」にそれぞれ寄付金が贈呈された。味の素、キューピー、江崎グリコ、日清オイリオグループ、フレスタ、東海CGC、伊藤園などの祝電も披露された。

 乾杯の音頭で登壇した堀内代表は、「CGCのトップ会が毎月開催されているが、横山さんは休んだことがなかった。9月に初めて欠席されたが、これからも、ぜひ元気に頑張ってもらいたい」とした上で、「これから、関東圏以外は、全国で人口が激減する。北海道に進出している本州の企業は、10年以内にみんな撤退になるだろう。残るのは地元のスーパーだけで、今でも過疎地に行くとCGCのメンバーだけしかいないところがある。食生活を最後まで守っていくのは、CGCのメンバーだとつくづく思う。北海道CGCグループは、将来も地域を支えていただければと思う」と述べて、全員で杯を上げた。

(写真は、中締めの挨拶をする道北アークス・六車亮会長)

 中締めの挨拶に立ったのは、道北アークスの六車亮会長。六車氏は「加盟企業の売り上げは4000億円近くになっており、CGCのPBは480億円になっている。加盟企業は、北海道CGCグループを抜きに、マーチャンダイジングができない状況だ。加盟企業は、ますます一致団結してPB比率を上げていかないと、厳しい時代に勝っていけない」と語った。続けて、「北海道CGCとCGCジャパン、取引先が今まで以上にタッグを組んで底上げを図っていかなければならない」と決意を述べ、通常の万歳とは違った「底上げのバァンザイ」(六車会長)を参加者全員で三唱して散会した。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER