つしま医療福祉グループ、常設の「災害支援チーム」結成

社会・文化

 つしま医療福祉グループ(グループ本部・札幌市豊平区)は、常設の「災害支援チーム」を結成、災害時に迅速に派遣できる体制を整えた。2025年9月9日、札幌ドーム駐車場を会場にして行われた「東月寒童夢セーフティフェスタ2025」(東月寒まちづくり協議会「童夢」主催)で、結成を発表した。(写真は、つしま医療福祉グループが結成した「災害支援チーム」の代表者4人。前列左は、同チーム結成を発表するつしま医療福祉グループ・対馬徳昭代表)

 同グループは、東日本大震災の際に、仙台地区に災害支援のために職員を派遣、同じグループの介護施設の応援やがれき撤去などを行った。胆振東部地震でも同様の支援チームを派遣、さらに2024年1月に発生した能登半島地震では、厚生労働省の要請を受けて、1・5次避難所に避難した介護が必要な人たちに向けて、1週間交代で25人を送り込み、厚労省や石川県から大きな評価を得た。

 同グループの本部がある月寒地区には、月寒断層があり、地震の被害が懸念されるほか、全国各地で大地震の発生も予見されるため、災害支援の必要性は高いとみて、常設の「災害支援チーム」を結成することにした。メンバーは、介護施設職員のほか、グループの日本医療大学の教員、同大学病院の病院スタッフなど42人。災害支援の経験者も含まれている。

 つしま医療福祉グループの対馬徳昭代表は、「地元で災害があった時に、いつでも対応できるように日々研修を通じて備えをすることにした。皆さまと一緒に、この地域を守っていきたい」と挨拶した。災害支援チームメンバーで社会福祉法人ノテ福祉会介護付き有料老人ホーム「天」(札幌市豊平区)の新田太一施設長(51)は、「常設することによって日頃からメンバーが意識を持って活動することは、とても意義深いこと。災害が起きた時、自分が行くという意識を持つことは、日々の介護などにも役立つと思う」と話している。

「災害支援チーム」の結成の他にも、災害時に東月寒地区からの要請を受けて、日本医療大学の学生食堂を避難場所として開放、炊き出しによる食事提供や毛布の配布など、避難者の生活支援を行うことも発表した。「東月寒童夢セーフティフェスタ」は、地区内の小中学生を対象に、自衛隊や警察署、消防署などの活動を広く知ってもらうためのフェスタで、今回が20回目。札幌ドームの駐車場を利用しての開催は2016年からで、今回は、民間企業など20団体200人が集まり、自衛隊車両や消防車両の展示、警察犬による訓練などを小中学生に披露した。

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