高級食パン市場を牽引した「銀座に志かわ」が北海道撤退、「札幌琴似店」閉店へ

経済総合

 高級食パンの一角を占めていた「銀座に志かわ」の北海道1号店だった「札幌琴似店」(札幌市西区琴似2条3丁目1-1)が、2024年12月30日(月)で閉店、北海道から店舗がなくなる。オープンから5年3ヵ月、高級食パンの認知度を高め、食パンの新しい市場を牽引してきたが、一定の役割を果たして退場する。(写真は、2024年12月30日で閉店する「銀座に志かわ札幌琴似店」)

「銀座に志かわ」は、2018年9月に、東京銀座に1号店を出店した高級食パン専門店。食パンを仕込む際に使う水をアルカリイオン水にして、カナダ産小麦粉を使用、はちみつや生クリーム、バターを配合することで、独特の甘さを出している。「札幌琴似店」は、2019年11月25日にオープンしたが、来札したフランチャイズ本部の銀座仁志川(本社・東京都中央区)の髙橋仁志社長(51)は、当時、「2つのポイントで戦っていく。一つは食パンのおいしさ。徹底しておいしいパン作りを展開する。もう一つはブランディング。『銀座に志かわ』というブランドを浸透させることによって、他社との差別化を図っていきたい」と、本サイトの取材で語っていた。

「銀座に志かわ」は、「札幌琴似店」に続いて、同年12月3日に「北見店」(北見市)、同年12月20日に「苫小牧店」(苫小牧市)、2021年7月6日に「釧路店」(釧路市)をオープンさせた。以降、道内4店舗の営業が続いたが、「釧路店」が2022年12月30日、「苫小牧店」が2023年11月15日、「北見店」が同年12月30日に閉店した。最後まで残っていた「札幌琴似店」だったが、途中、コロナ禍を挟みながら続けてきた営業を終える。

 北海道の高級食パン業界は、2017年9月に出店した「乃が美はなれ札幌店」(札幌市中央区)が先鞭をつけ、以降、「乃木坂な妻たち」、「嵜本」、「ベーカリー・ワンカラット」、「銀座に志かわ」、「一本堂」、「HARE/PAN」、「LA・PAN」などのブランドが相次いで進出、高級食パン市場が生まれた。「銀座に志かわ」の閉店で、残るのは、「乃木坂な妻たち」、「HARE/PAN」、「LA・PAN」など数ブランドに絞られている。高級食パン市場で生き残るブランドと、退場するブランドの差は何なのか、いずれ検証してみたい。

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