マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2024年の4回目は、白石区東札幌1条6丁目の旧「タイガー魔法瓶北海道オフィス」。(写真は、解体工事が始まった旧「タイガー魔法瓶北海道オフィス」)
環状通が旧千歳線の廃線跡を利用した「白石こころーど」の跨道橋をくぐり抜ける付近にある、可愛いTIGERのロゴマークが間もなく姿を消す。タイガー魔法瓶(本社・大阪府門真市)の旧北海道オフィスの屋上に掲げられている6代目ロゴマークの看板。同オフィスの解体とともに、このロゴマーク看板も撤去されるためだ。
タイガー魔法瓶は、真空断熱ボトルやジャー炊飯器のメーカーで、2023年に創立100周年を迎えた老舗。年間売上高は約422億円(2023年4月期)。北海道への進出は1970年1月、旧北海道オフィスは1982年4月に建設されている。以降、40年を超えて利用され、屋上の可愛いTIGERのロゴマークが目印になっていた。北海道オフィスは既に中央区南3条西10丁目に移転しており、旧北海道オフィスは、2024年4月1日から解体工事が始まった。
解体工事の注文者は、土地建物を所有しているタイガー魔法瓶。解体業者は鴻池組(本社・大阪市中央区)北海道支店(札幌市中央区)、工期は2024年11月30日まで。土地面積は約900坪とみられ、跡地利用が注目される。