マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2023年の3回目は、中央区南20条西15丁目の旧「北海道郵政研修センター」。(写真は、解体工事が始まった旧「北海道郵政研修センター」)

 札幌市電山鼻西線の「ロープウェイ入口駅」近くにあるのが、日本郵便(本社・東京都千代田区)が所有する旧「北海道郵政研修センター」(札幌市中央区南20条西15丁目1ー1)。この研修センターのルーツは、1949年にこの場所に開設された郵政職員訓練所札幌研修所。当時は札幌市山元町と呼ばれていた。

 旧「北海道郵政研修センター」は、1975年に建設され、地上5階建て、4棟(延べ床面積は約2636坪=約8700㎡)からなり、グラウンドやテニスコートなども整備されていた。施設老朽化や事業効率化のため、日本郵便は2020年10月に同センターを廃止、札幌中央郵便局(東区北6条東1丁目2-1)4階に研修施設を移転開設した。

 移転後もそのままの姿で残されていたが、解体工事は2022年11月15日から始まり、間もなく建物の解体に着手する。工事期間は2023年10月15日まで、約1年間をかける。注文者は日本郵便、解体を行うのは小川建設(本社・東京都新宿区)。

 敷地は、市電が走る福住・桑園通と環状線の白石・藻岩通に挟まれており、敷地面積は約4521坪(1万4922・40㎡)と広大。藻岩山を望める山鼻地区の一等地は、これからどう変わっていくだろう。


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