コープさっぽろ(本部・札幌市)は、貨物運送業のエース(本社・石狩市)と共同出資で物流新会社「北海道ロジサービス」を設立、4月から運営を始めた。コープさっぽろはこれまで大手物流会社にロジスティック部門を委託していたが、今後新会社がロジ部門を直接運営管理する。全道に張り巡らせた店舗物流や宅配物流の効率運営を図るとともに地方スーパーへの商品配送などにも取り組む。
新会社「北海道ロジサービス」は、資本金8500万円でコープさっぽろが7000万円、エースが1500万円を出資した。本社は、江別市東野幌町のコープさっぽろ江別物流センター内に置いており、従業員数は700人。
コープさっぽろ商品本部に所属していた物流事業部を新会社に移管させる形で発足させた。
コープさっぽろは、これまで江別物流センターで全道のコープ店舗や宅配事業の仕分け業務を行い、ロジスティック部門は大手物流会社に委託、実際の物流業務はさらに数十社の貨物運送業者に再委託する、いわば二層構造だった。
北海道ロジサービスは、こうした二層構造を取りやめ、同社が直接貨物運送業者に委託することでコスト削減を図るとともに復路で空になったトラックを利用して荷物を搬送するなど新たなビジネスチャンスを構築していくのが狙い。
全国大手食品卸などでは、札幌への一拠点化が進んだため扱い量の少ない地方の中小規模スーパーへの配送を取りやめるケースも出ている。商品が届かない地方スーパーは、大手スーパーのグループに入って物流面をカバーするか、廃業するかの局面を迎えている。
コープさっぽろは、新会社でこうした物流難民化している地方中小スーパーへの商品配送も手掛けていきたい考え。